手足のほてりが気になる

手足がほてっても、それがとく気にならず、ふつうに生活にできるのであれば問題ありません。手足がほてることにわずらわしさを感じたり、不都合を生じたりしたときに「何かしらの手をうつ」ということになります。

手足のほてりのタイプ

東洋医学では、手足がほてり、かつ、それを煩わしく感じるものを「五心煩熱」といいます。五は左右の手足と心、それに「煩(わずらわしさ)」と熱で五心煩熱です。五心煩熱は陰虚でも陽虚(冷え症)でも生じることがあります。陰虚と陽虚とでは真逆のようですが、どちらも「虚」ということでは共通しています。陰虚による五心煩熱は、体を冷やす「陰」が不足したために手足に熱感を生じます。この場合、口が渇く、喉が渇く、イライラしやすい、裂文舌などを伴い、痩せている人に多いタイプです。一方、陽虚は、手足はほてるのですが体の芯は冷えています。これは手足から放出される熱量よりも、停滞する熱量の方が多いために手足がほてります。体の末端部に熱がこもっているような状態で、気血の巡りが悪いことのあらわれとらえることができます。自律神経的にみると、交感神経の働きが弱く末梢血管がうまく収縮しないためにこのようなことが起こります。陽虚タイプの五心煩熱の人は、ふつうの人に比べて朝起きることが苦手で、めまい、たちくらみを起こしやすい、低血圧、低体温である場合が多いなどの特徴があります。舌象は胖大舌、歯痕舌などがみられます。

陰陽論では、中心や下が陽、末端や上が陰です。陽虚とは、体の中心部や上方部が冷えていて、末端や上に熱がこもっている状態で、これを「上熱下寒」といい、上と下、中心と末端の気血の交流がうまく行われていません。

更年期障害による手足のほてり

更年期に入りホルモンのバランスが崩ると、それにともなう自律神経の乱れによって、心身にさまざまな不調があらわれます。寒熱の症状も多く、手足のほてり・冷え、顔のほてり、のぼせなどがあります。

ほてりを解消するために

陰陽の虚を補い、気血の巡りをよくすることでほてりの解消を図ります。

〇適度に運動する

運動することで気血の巡りがよくなり、体の上と下、中心と末端部での交流が活発になります。また運動することで自律神経が通常通り働き、血管の緊張と収縮の機能が改善されれば、手足のほてりは軽減します。また運動によって筋肉量が増えることで体内で多くの熱が生まれるようになります。冷え症タイプの人は、これにより手足のほてりがなくなっていきます。

〇栄養バランスの取れた食事

筋肉をつくるためにも、運動と合わせて栄養を摂取することが必要です。たんぱく質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラルをバランスよく取りましょう。

〇睡眠をきちんと取る

夜決まった時間にベッドに入った後は、スムーズに眠り入っていくことができ、熟睡して、朝は目ざまし時計がなくても自然に目が覚めるのが理想の睡眠といえます。十分な睡眠を取ることが大切なのはわかってはいても、なかなか思うようにいかない現実があります。しっかりとした睡眠を得るためには、体が睡眠を欲するような状態にすること。そのためにはやはり、昼間に活動、運動をすることです。

手足のほてりと鍼灸

鍼灸によって、手足のほてりに働きかけることができます。陰虚には、肝腎の陰虚などがあり、陽虚にも脾や腎を中心とした五臓との関りがあります。それぞれの状況を見極め、適した選穴、配穴を行うことで、手足のほてりやその背景にある証や体質を改善していくことが大切です。

※手足のほてりが病気の一症状として表れることがあります。いつもと違うなと感じたら、すみやかに病院を受診しましょう。

馬込沢うえだ鍼灸院




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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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