突発性難聴の多くは肝胆の火

検査で他の病気によるものでないことがわかったら

脳血管障害、高血圧、貧血、糖尿病、甲状腺の機能低下などの全身疾患、自律神経の失調、精神的要因によっても、耳鳴りは生じます。検査をして、これといった原因がみつからなければ、自分で養生とすることが、治療の要となります。

難聴には、加齢によって「耳が遠くなる」老人性のもの、突然耳が聞こえなる突発性のものとに大別できますが、老人性の耳鳴りは老化現象であり病気でなないととらえます。積極的に改善を目指すべきは病気としての難聴になります。

突発性難聴の原因は肝胆の火

突発性の難聴は多くは「肝や胆の火」によるものです。ストレスを受け止めるための代表的な臓である肝が、ストレスを受け止めきれないとその負のエネルギーはいろいろな所へ向けられることになり、突発性の難聴もその一つです。極度のストレスにより肝胆の火が上炎して、耳の機能を阻害します。

肝と表裏の関係にある「胆」は、その経絡が耳の周りを流れているため、肝胆の失調は難聴や耳鳴りの症状が現れやすいのです。肝胆火旺や肝胆上炎は虚実でとらえると「実証」です。ちなみに老人性の難聴のように症状が緩やかにあらわれるものや、消化器の虚弱などにより「痰湿」生じることが原因となっているものは「虚証」です。しかし、肝胆の火が上炎してしまう背景には、長期に渡りストレスを受け続け「腎」のエネルギーが低下したり、痰湿がベースにあることが多くあります。この場合、腎を補う「補腎」、痰湿を取り除く「徐痰利湿」を、肝胆の火を下ろすことと合わせて行っていく必要があります。

突発性難聴に対して自分でできること

●しっかりと眠る

肝胆の火を鎮めるためには、眠ることで陰を補うわなければなりません。そのためには質のいい睡眠が不可欠です。しかしうまく眠れないこともあり、適度に運動するなどのことが必要になってきます。

●気功、太極拳

突発性難聴は「虚証」というわけではないので、ストレスにより気のめぐりが悪くなり、耳の周辺で滞ることで聴力に問題をきたしとているわけですから、気のめぐりをよくしなければなりません。動きをともない、なおかつ心が落ち着くものとして、気功や太極拳がおすすめです。

気功には動きながら行う「動功」と、瞑想のように動かないで行う「静功」とがあります。ともった症状に耳鳴りをともっている場合、静功だと余計に耳鳴りが気なってしまうということがあります。そのようなケースのときは動功が適しています。気功や太極拳には、行うことで「補腎益気」、「静瀉肝(胆)火」の効能が期待できます。

●冷えをとる

「冷え」があると肝胆の火が上炎して、結果として五官病(目舌耳口鼻に症状が出る病)を起こしやすくなります。突発性難聴もその一つです。自律神経の面からみても冷えはよくなありません。入浴の際にはしっかりと湯船につかるなど、体を温めるようにします。

●正しい食生活

栄養が足りない、脂っこいものの食べ過ぎ、不規則な時間に食べる、といったことで気血水のめぐりが悪くなり、またそれによって痰湿を生じたりします。規則正しく、栄養バランスのとれた楽しい食事をこころがけましょう。

馬込沢うえだ鍼灸院


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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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