尿が漏れるのが不安
骨盤底筋の強化
尿がもれてしまう尿失禁。尿道を支えている骨盤底筋群が弱くなって起こる機能性尿失禁であれば、行うべきは筋力の強化です。とはいってもそれほどハードなものは必要ありません。筋トレをしばらく(3か月ほど)続けてみても一向に症状が改善されない、もしくは悪化しているのであればまずは泌尿器科を受診しましょう。
東洋医学では、筋機能は肝、畜尿や排尿は腎とその表裏関係にある膀胱が主っています。これら五臓六腑の力を補い高めることで機能的尿失禁を改善していくことができます。
肝腎の衰えの原因
肝腎、膀胱など五臓六腑が本来の機能を失う原因の一つが老化です。加齢によって筋力や泌尿器機能が低下してしまうのは、ある意味で当然のことではあります。しかし歳を取ったからといって、すべての人が尿失禁で悩むわけではありません。もともと筋力や泌尿器の働きが弱かったことに加齢などの要因が加わり、尿失禁という症状が表れたと考えます。
冷えとの関係
東洋医学では、体の不調は体内の気・血・水の巡りが悪くなることで起こると考えます。冷えは、気の「温煦」の働きがうまく行われていない状態で、これにより気化作用が低下すると、本来発汗によって排出されるはず水分が減りその分尿量が増えます。尿量が増えることで頻繁に尿意をもよおすことになります。尿意をもよおしても腎(東洋医学的腎)の機能がそれほど衰えていなければ症状としては「トイレが近い」だけで済みますが、進行してしまうと尿失禁を起こすようになります。気の温煦作用が行われなくなる背景には、尿意を頻繁にもよおすこと同様に腎虚(腎陽虚)があり、治療のためには「温補腎陽」を行わななくてはなりません。
尿失禁に対して自分でできること
●スクワット
しゃがんで立つを繰り返す運動です。あまり深くしゃがむと膝に負担が掛かり過ぎるので、無理のない範囲で行います。膝を伸ばしたとき(立ったとき、トップポジション)にお尻(肛門)をギュッと引き締めるようにします。スタンスを広くしたり狭くしたり、バリエーションを加えながら10~15回を1~3セット、一日一回もしくは二日に一回程度行います。
●肛門引き締め運動
スクワットのトップポジションの肛門を引き締めるところだけをピックアップして行います。立って行っても仰向けでもかまいません。
お灸をする
おへその下指の横幅3本分のところに気海、4本分のところに関元、恥骨の上2本分(おおよそ関元の下1本分)に中極というツボがあります。ここに市販のお灸を2~3壮行います。皮膚の弱い人は水膨れになることもありますから、温度の低いものを選んだり、日によってツボを変えたりしながら行います。
※トイレが近くなるからという理由で水分摂取を控えすぎると膀胱炎を起こしやすくなります。冷たい飲食物は避けて、なるべく温かいものを取るようにしましょう。
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