口が渇いてしょうがない
体内の陰分が不足する
陰虚をあらわす症状の一つに、口が渇く「口渇」があります。ここでいう陰とは、体の中の水分のことで、水分が「虚(不足)」の状態になるので、このように呼ばれます。
東洋医学の基礎となる理論が「陰陽論」です。陰陽論とは、この世のものはすべて陰と陽の二面性をもつもので、例えば、上が陽、下が陰。動が陽、静が陰。火が陽、水が陰です。
口が渇くが、水分をあまり欲しがらない
陰虚による口の渇きは「虚」であり、激しい運動をしたときに生じる「のどの渇き」とは違って、あまり水分を欲しがらないという特徴があります。また水を飲んでも口の渇きは治まらず、常に口が渇いている感じがします。
水を飲んでも治まらない
のどの渇きは、水分が不足していることの体のサインです。この欲求に応じて水分を補給することは生命維持において非常に大切です。しかし陰虚による口渇は、水を飲んだだけでは問題の解決にはならず、「陰虚」に対してのアプローチが必要となります。
老化現象の一つ
陰虚の症状は、もともとの体質に老化が加わって起こることが多いために、完全になくすことが簡単ではありません。耳が遠くなる、足腰が弱る、白髪になる、はげる、といったもの病気ではなく老化現象で、多くの場合、口渇もその一つです。しかし、いくら老化現象といわれても、口渇がとても気になる人もいます。
これらの加齢にともなう体の変化は、五臓の「腎」との関りが深いものです。つまり口渇を軽減させるためには腎(とくに「腎陰」)を補うことが対処となります。
口渇を軽減させるために
●しっかり眠る、適度な運動
「腎陰」を補い、口渇を軽減させるためにはしっかりと眠ることが大切ですが、陰虚の人、陰虚のためにうまく眠ることができません。昼間に適度に運動することで、寝つきがよくなり、眠りが深くなります。
●陽を補う
陰を必要な届かせるのは陽の力です。そのためにやはり運動が必要ということになります。陽を補うために、入浴時は湯船に浸かるようしましょう。
●栄養バランスのとれた食事
陰も陽も、補い養うためには栄養バランスのよい食事を取ることがとても大切です。とくに黒豆、黒ゴマ、黒ショウガなどの黒いものは、昔から「補腎」の食べ物とされています。その他、スッポン、ナマコ、栗、クルミ、ゴーヤ、クコの実などもよいですね。※クコの実は20gを夕食後によく噛んで食べるようにします。
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