月経前症候群を少しでも軽くするために

身体症状、精神症状、さまざま

月経前症候群は、月経前にあらわれる不快な症状のことで、おもな身体症状は、頭痛、めまい、むくみ、肌荒れ、胸の張りと痛み、腰痛、腹部膨満感など。精神症状としては、イライラ、不安感、眠れない、などがあります。

これらの症状が月経の2週間から1週間ほど前になると生じ、月経が終わればなくなる、あるいは軽減します。

月経症候群に関わる2つのホルモン

月経前症候群の原因として、性周期にともなう2つの女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)の分泌量の変化や、精神を落ち着かせるセロトニン、子宮を収縮させる物質であるプロスタグランジンなどが関わっていると考えられています。

※性周期(卵巣周期)は、月経が始まった日を初日として排卵までのおよそ2週間(14日目頃まで)が「卵胞期」、14日目頃が「排卵期」、その後次の月経の初日までが「黄体期」となります。

エストロゲンとプロゲステロンの働き

●エストロゲン(卵胞ホルモン)

卵胞を発育、子宮粘膜と膣上皮の増殖、乳腺の発育を促進など。

●プロゲステロン(黄体ホルモン)

子宮粘膜を厚くさせ着床しやすい状態にする。体温を上昇させる。

とても大切なものですが、バンランスが崩れると体に変調をきたします。

月経前症候群を東洋医学的にみると

エネルギー物質である「気血水」の循環がスムーズで、五臓六腑がしっかりと滋養されていれば元気でいられます。しかしさまざまな病因によって気血水がうまく巡らなくなると体調が悪化し、その状態が長く続くと病気も重たいものとなります。

月経前症候群は命に関わるようなものではなく、また月経前という限られた期間にのみ起こるということから、そのままにしてしまう人も少なくありません。しかし月経前症候群は自分の症状としてつらいだけでなく、他人に対して攻撃的になったり、情緒不安定になり人間関係に問題を生じたりなど、日常生活に支障をきたすこともあります。軽視することなく養生に努め、少しでも楽になるようにしていきましょう。

東洋医学では、月経前症候群は、体質的に瘀血が生じやすい人ほど重い傾向にあることから、血との関りが深いととらえます。しかしさまざまな症状があり、病状にあわせて対応していくことも必要です。

養生法

〇温める

月経前症候群を悪化させる大きな要因が「冷え」です。冷えることで気血水は滞り、状態はわるくなります。冷えへの具体的な対処法としては次のようなものがあります。

●入浴のときは、しっかりと湯船につかる

ぬるめのお湯に長めにつかることで、自律神経の副交感神経が優勢になりその結果血流が促進されて、さまざまな症状が緩和されます。入浴剤などを使用するのもいいですね。バスタイムを楽しみましょう。

●保温効果の高いアンダーウェアを使用する

普段から下腹部や腰など下半身を冷やさないようにするのと同時に、体を冷やすような食べものや飲みものを控えるようにします。体の外側と内側の両方から温めることで効果が倍増します。

〇体を動かす

気・血・水の巡りをよくするためには適度に運動することが大切です。しかし症状のつらい時に運動するとなると、人によっては返ってストレスになってしまうこともあります。月経前症候群の症状がでていない、体調のよいときに体を多めに動かすようにすることで、一時的に症状を抑えるだけでなく、予防をすることにつながります。

〇好きなことをする、がんばらない

ストレスやプレッシャーといったものが症状を一層つらいものにしてしまいます。普段であれば、大したと感じないことに敏感に反応してしまったりします。ハーブの香りでリラックスできるのであればハーブの香りを嗅ぐ、ゴロゴロするのが好きな人はゴロゴロしましょう。なるべく無理をしないように。

馬込沢うえだ鍼灸院





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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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