食欲がない、元気もない

東洋医学

食欲がなくても

これといった病気があるわけでもないのに、食欲がない、あまり食べたくない、ということがあります。食欲の低下が一時的なものであれば問題ありませんが、ふつう健康な人なら程度の差はあっても、お腹が空くべくときにはお腹は空くものです。食欲がないことと合わせて、他の症状がみられる、体重が減ってきた、元気がない状態が長く続いている、というのであれば、それは気の力が弱くなっている「気虚」の状態です。

気の作用

東洋医学では気というものを大変重視しています。気には以下のような作用があります。

●推動作用:人の成長や発育、すべての生理活動、新陳代謝に関わる作用。また推動という言葉からも わかるように血や水といったもの(気自身も)は、気の推動作用によって全身を巡っています。

●温煦作用:臓腑・器官などの組織を温め、体温を保持する作用。生体が尊命するためには一定の体温が必要です。

●防衛作用:体表において外邪の侵入を防ぐ作用。また内部に侵入した外邪や内部で発生した内邪の動きを阻止する作用。

●固摂作用:血や水、精液などが出ていかないようにする作用。尿や大便の排泄も、この固摂作用によって調節されています。

●化生作用:血や水などの体を養う成分が作り出される作用。食べものが体に吸収されるために形を変えるのは化生作用によるものです。他に、ガス交換、水が尿に変わる、大便の形成などがあります。

気虚になれば、これらすべての作用に影響が出る可能性があります。

食欲がないのは脾気虚

人間の生理機能は五臓によって営まれ、消化、吸収などの働きは、おもに「脾」が中心となって行われます。脾は、運化、昇清、をつかさどり、食欲がなくなるのは脾が活発でないと考えられます。運化とは消化したものを運ぶ、昇清とは消化によって得られたエネルギーを体の上の方に上げる、という意味です。運化の働きが低下すれば消化不良、昇清の働きが低下すれば、内臓下垂、全身倦怠、無気力、慢性下痢などが起こります。運化はおもに推動や化生の作用によって行われます。

このように脾気の低下は、食欲不振以外にもさまざまな症状となって表れます。また、脾気虚によりエネルギー不足となれば、熱を生みだすことができないため、陽が不足した「脾陽虚」の状態になります。

脾は後天の源

脾は腎とともに、体内エネルギーの源で、脾は後天の源、腎は先天の源と呼ばれます。先天の源を腎精ともいい、これは人間が生まれながらに持っているエネルギーのことです。腎が弱ると、毛髪が薄くなる、耳が遠くなる、腰が曲がる、精力が衰えるなどのことが起こります。

脾の働きは、腎陽によって支えられています。脾と腎のどちらの臓が弱ってもエネルギー不足になるため、脾気虚や腎気虚は、脾陽虚や腎陽虚もしくは脾腎陽虚へと進行するケースが多くあります。

つまり食欲のない人は冷え症であることが多く、元気を補うことで冷えが改善され、また冷えがなくなることで食欲がでるようになります。

食欲の減退と鍼灸

食欲がないというだけで鍼灸院を訪れる人はあまりいませんが、主症状とともに食欲不振があることは少なくありません。生命の根源的欲求である食欲の減退は、いわゆる未病ととらえることもできます。脾や全身の気の働きを、本来の活発な状態に戻すために鍼灸は有効です。

中央林間うえだ鍼灸院



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