便秘をやめよう
昔々から女性は陰的傾向が強い
陰陽論では女性が陰、男性が陽、季節なら、秋冬が陰、春夏が陽です。陰の中に陽があり、陽の中に陰があります。女性の中にも男性的なものがあり、男性の中にも女性的なものがあって、現実的にはすべてが陰、100%の陽などというものはないのですが、便宜上、男女を区別したり、季節が決められていたりします。
女性は便秘になりやすい
発散的な男性に比べると、女性は吸収的、いろいろなものことを蓄える傾向にあって、女性が便秘になりやすいのも女性ゆえです。この世に同じ人間は二人としていないわけですから「便秘しやすいのも個性」といえるかもしれません。しかし便秘によって何かしらの不都合が生じるのであれば、その傾向は変えられるものなら変えていったほうがいいと思います。女性だからといって便秘であり続ける必要はありません。
旅行中、便秘になることがあります。旅行が終わればべ通常の排便状態に戻るのならそれほど心配は要りません。しかし日ごろから3日に1度しかお通じがないなどという場合、生活習慣を見直し、改善したほうがよいところがあるなら改善していきましょう。※急に便秘になったという場合は病院を受診してください。
大腸反射を正常にする
ふつう直腸内に便が溜まれば排便反射が起こり、トイレに行きたくなります。しかし便秘の人は排便時反射が鈍く、便意をもよおしません。これは多くの場合生活習慣に起因しています。「胃-大腸反射」といって健康な人であれば食べ物が口に入ると、胃と腸の蠕動運動が始まります。とくに起床時など胃に内容物がないときに起こりやすい。このときに起こる便意をガマンあるいは無視していると胃-大腸反射は消失してしまい、そのうちに胃-大腸反射が起こらなくなってしまいます。
便秘解消のために
●規則正しい生活
排便のための反射機能を正常に働かせるためには、まずは決まった時間に食べて排便するという習慣を身につけます。食べてトイレにいく(便意はなくても)ということを繰り返し、失った排便反射を取り戻します。
●しっかりと食べる
繊維質を多く取ることだけでなく、しっかしと食事をすることが重要。当たり前ですが、排便のためには便になる材料が必要です。※繊維質のものを多く取ることは便のかさを増し、便秘の予防には効果的です。しかし、便秘で苦しんでいる最中に繊維質を多く取り、排便されないのに腸の内容物が増えると益々苦しくなることがあります。自分の体の状態をよく把握しながら便秘の改善に取り組みましょう。
●適度に運動する、体を温める、リラックスする
自律神経が正常に働かないと排便がうまく行われません。「胃ー大腸反射」も自律神経を介して行われます。運動することよって、自律神経の本来の機能を取り戻されます。また便秘傾向にある人は同時に冷え症であることが多く、冷え症の改善が便秘の改善につながります。適度な運動は体を温めることになり、ひいては便の状態を良好なものとします。入浴時にはしっかりと湯船に浸かるなど、運動以外にも積極的に体を温めましょう。またストレスによって自律神経が乱れると、腸の運動が不活発もしくは活発になり過ぎ(大腸の痙攣により便を送ることができない)で便秘となります。一日のうちでリラックスできる時間をつくりましょう。
便秘薬の使い過ぎは危険
便秘薬にたより過ぎているうちに自力排便ができなくなります。そのうち便秘薬が効かなくなるケースもあります。便秘解消のためには生活習慣の見直し改善が第一。薬は補助的なものとして使用することが基本です。
良質の睡眠をとる
寝不足だと自律神経が不安定になります。また交感神経が過剰に働くような状態は、便秘の大敵である冷え症を助長してしまいます。良質の睡眠をとって冷え症とともに便秘を解消させましょう。
便秘と鍼灸
先述のとおり便秘改善のためには、排便のリズムを体に覚えさせる必要があります。そのために規則正しく食べて、規則正しく出す(出そうとする)習慣が大切です。しかし、それに体が反応して便秘が解消された状態が定着するには時間がかかります。
排便のきっかけをつくるために、生活習慣の見直しと合わせて鍼灸による治療が有効です。
下痢も便秘も
便が、腸内を早く通り過ぎると下痢になります。胃で消化されたものから体に必要な栄養や水分をしっかりと吸収するために、腸管内に留まる適正な時間が必要です。かといってあまり長く居つくと便秘になります。下痢も便秘も腸の機能障害であり、正すためにやるべきことは同じです。
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