強いマッサージが好きなんだけど

強いマッサージのよい面と悪い面

強くマッサージされるのが好きなんだけど、それってよくないの?

強いマッサージにはいい面と、悪い面があります。

いい面は、「強いマッサージをしてほしい」という気持ちが満足すること。一時的にせよ、気持ちがスッキリすること。

しかし、気持ちいいこと第一の目的としたものは治療とはいえません。そこに重きを置いてしまえば、場合によっては、状況はどんどん悪い方向へ行くこともあります。

強いマッサージで筋肉が固くなる

悪い面は、筋肉の瘢痕化。強くも揉まれるのを繰り返していると筋肉が固くなり、固くなった筋肉をほぐすためにさらに強く揉むことになり、筋肉はますます固くなります。刺激に体が慣れてしまい、さらに強い刺激を求めるようになります。長い目で見たとき、強いマッサージは決してよいものとはいえません。

「強いマッサージをしてもらっているけど、肩こりが治らないんだけど」という人がいますが、これは当然ことです。

治療には、急性に対してのもの(対症療法)と、慢性に対してのものとがあります。対症療法に意味がないわけではありませんが、やはり治療というのは慢性疾患の治療をベースに進めていくものであり、対症療法は、一時的に症状を和らげるためのもの、という認識をもって行わなければなりません。

こらないようにすることを同時に

例えば肩こり。同じ姿勢を長時間とることにより、肩周辺の筋肉が硬直、それによって血流が滞り肩がこります。大事なのは、今ある肩こりを解消するだけでなく、肩がこらないようにすること。「こったときに、マッサージをする」だけでは十分ではありません。

肩こりを予防するには、全身または肩周りの筋トレやストレッチ、有酸素系の運動が効果的です。マッサージを受けても受けなくても、これらは継続して行う必要があります。

運動には、全身の血流をよくして体を温める作用があります。これによって肩こりの解消や予防に効果があるのはもちろん、適切な運動は、ほとんどすべての体調不良の改善に役立つといっていいでしょう。一時的にスッキリするためのマッサージと、病気の予防や解消のための運動とでは、目的が同じではありません。

こりは自然に緩和される

人間の体には本来、コリや張りなどの筋肉の緊張を自然に緩和させる機能が備わっています。筋肉の伸長度(力の入り具合)は常に脳に送り届けられ、脳からのフィードバックによって、筋肉に力が入り過ぎないようにコントロールされています。例えば、脳の障害などでこの機能が失われると、「痙性マヒ」と呼ばれる筋肉が異常に緊張した状態になり、これにより関節拘縮が起きます。

肩から背中にかけて鉄板のようになっている人

マッサージは本来、鈍くなった筋肉の感度を元に戻すことを主に行うもので、これによって自然に血流は促されるようになり、「コリ物質」が一か所に停滞しなくなります。気持ちがよいからといって強い刺激を受け続けると、筋肉の正常な働きが失われ、意図とは反対にますます筋肉がコリやすくなってしまいます。

長きに渡って強いマッサージを受け続け、肩から背中にかけて鉄板のようになっている人がいますが、最初から鉄板だったわけではありません。このような体になってしまうと、元の正常な感度を取り戻すのは大変困難になります。

たまに受けるのであれば強いマッサージでも、それほど心配は要りません。しかし、たまにマッサージを受けるだけでは肩こり解消にはならないので、やはり肩こりをマッサージだけなんとかするのは無理ということになります。

●強いマッサージにはいい面と悪い面がある

・いい面:心身ともスッキリする

・悪い面:筋肉が硬くなる

●症状の解消と症状の予防とが必要である

●マッサージは体調をよくするものの一つ

読んでくれてありがとうございます。

馬込沢うえだ鍼灸院

マッサージは体調をよくするために行うものの一つ。



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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