痔。自分でできる対処法
痔には3種類あります。いぼ痔(痔核)、切れ痔(裂肛)、痔ろう(肛門周囲膿瘍)の3つ。
●いぼ痔:肛門周囲の静脈がうっ血し、ふくらんだもの。便秘や出産でいきむことが直接原因。
●裂肛:排便の時肛門が切れたもの。便秘や出産でいきむことが直接原因。下痢をして勢いよく便が通過しても肛門が切れる。
●痔ろう:肛門から細菌感染による炎症がおこり、肛門周囲に膿がたまる。肛門周囲膿瘍が進行すると肛門に向かってトンネルが形成されたものが痔ろう。免疫力が落ちていると細菌感染しやすくなるので、肛門周囲を清潔を保ちつつ、疲労、ストレスに気をつける。
いずれもひどくなれば手術が必要です。
痔は瘀血
東洋医学では、どの種類でも痔は瘀血との関りが深いととらえます。血の巡りが悪くなって、静脈が密集している肛門周辺に停滞、瘀血が形成されて痔となります。肛門周辺で血が停滞する大きな原因は便秘と下痢、それと冷え。瘀血があると便秘や下痢になりやすく、また冷えが瘀血をつくります。便の状態をよくしておくこと、冷えをとることが瘀血の改善、ひいては痔の改善につながります。
便秘、下痢を治し、冷えをとる
便秘や下痢は本来の体調ではない表れの一つで、体調がよくなければ抵抗力が弱り、細菌感染も起こりやすくなります。五臓のうち便の状態を主る蔵が「脾」。脾を良好に保つこと大切です。また痔の改善には他の疾患と同じく、局所と全身の両方の観点からみていく必要があります。
自分でできることは、坐りっぱなによる局所のうっ血を避けると同時に、過労、ストレスをなるべく減らし便秘や下痢にならないように注意します。排便のとき、便が硬いために肛門が切れるのはイメージしやすいと思いますが、下痢によって勢いよく便が通過しても肛門が切れます。脂っこいものの取り過ぎは痔を悪化させますから、栄養バランスのとれた食事を心がけます。また血液循環をよくするためには、適度な運動と毎日の入浴は欠かせません。使い捨てカイロをうまく利用するのもよいでしょう。
痔に効くツボ
痔を治療するときの常用穴に孔最というツボがあります。ここにお灸をすると肛門周囲の筋肉が緩み、局所の血液循環がよくなります。3~5壮を目安にすえるようにします。
「やまいだれ」に「寺」と書いて「痔」。その昔、お寺で座禅を組んだお坊さんはみんな痔に悩まされた、ということでこの字ができたといわれています。お尻を冷やさないように。
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