最近、太ってきた

肥満がよくないとされるのは、太っているとさまざまな病気にかかりやすくなるからです。米でも、肉でも、食べたものはエネルギーとして消費されなければ、すべて脂肪に変換され体に蓄積されます。体に必要以上に脂肪がついているということは、血糖値も高く、もしくは現在高くなくても将来的に高くなる可能性が大きく、それによって動脈は硬化し、脳や心臓の血管障害を起こしやすくなります。また肥満は常に重い荷物を背負っているのと同じですから、心臓に無理を強いることと合わせて、膝などに負担がかかり関節を痛めやすくなります。

肥満の指標

肥満を図るための指標となるのがBMI(ボディ・マス・インデックス)です。

体重(㎏)÷[身長(m)×身長(m)]で表されます。22が標準で、25以上を超えると肥満と判定されます。例えば、身長が160㎝で体重が60kgなら、60÷(1.6×1.6)=23.4となり、やや太り気味ということになります。

体脂肪で見た場合、男性の場合25%、女性の場合30%以上が肥満です。

数字的なものはあくまで「指標」であり、現在、体のどこにも悪いところや痛いところがなければ、太っていてもいいのではないか、といった考え方もあります。しかし太り過ぎていると、罹患の可能性が高くなることに間違いありません。

加齢にともなって太る

多くの場合、歳をとるにつれて太ります。これは代謝が落ちて摂取するカロリーよりも消費するカロリーが減るからで、当たり前といえば当たり前の減少です。つまり太り過ぎを予防するためには、現在の食生活を見直しつつ、運動を習慣にすることです。

冷え症で太る

冷え症だと代謝が悪いために、体脂肪が燃焼しにくく、体重が落ちにくい傾向にあります。冷え症を改善することで痩せやすい体質になります。逆に冷え症で痩せている(痩せすぎている)人の場合、冷え症の改善が太るためのポイントとなります。その人にとって適正の体重に落ち着いているということは、健康であることの一つの表れであり、健康であれば冷え症に悩まされることも少ないといえるでしょう。

睡眠不足で太る

必要な睡眠が足りていないのは、体にとって大きなストレスを強いられている状況で、このような事態が続くと、体は正常な営みができなくなります。すると防衛本能からエネルギーを蓄えようとして、人によっては太りやすくなります。

リバウンドは怖い

一定の期間なにも食べない、もしくは限られたものだけしか食べないなどのことを行えば、一時的に体重は減ります。 このとき、減ったもののうちの多くは筋肉です。 カロリーの摂取量を減らすことのみによる体重の減少は、体重が減少してもその状態は長くは続かずいずれ元に戻ります。 このときに増えるのは脂肪です。つまり、体重減増の後、体重は同じであったとしてもその内訳は変わっているということです。これがリバウンドは怖いといわれる理由で、筋肉が減ればそれにともなって代謝が落ちますから、その後やせにくい(体脂肪の燃焼しにくい)体になってしまいます。

体重・体脂肪を正常に保つために

体重や体脂肪を理想とされる値に保つのであれば、無理せず続けることが重要です。「そのための2本柱が運動と食事の管理」とは、多くの方が何度も耳してきたことでしょう。わかっていてもそれができないから、こころにモヤモヤしたものが溜まります。それがストレスになってしまうのであれば「いっそのことダイエットなんてやめしまおう」と、本当にやめてしまう人もいます。なかばやけになって食べ過ぎて、これまでの努力が水の泡どころか、逆に以前よりも太ってしまったというケースもあります。

こころが関わる

体重や体脂肪を保つのが難しい人にとって、大切なのは「こころが落ち着いている」ことです。つまり生活全般に渡ってストレスが過度でないこと。日々の生活のか中でストレスはあって当然です。しかし、大きすぎるストレスはこころや体に歪(ひずみ)を生み、何かしらの兆候となってあらわれます。その一つが食べ過ぎから起こる体重や体脂肪の増加です。体重や体脂肪を保つためには「こころの落ち着き」がポイントとなります。

運動することの意味

カロリーを消費させるために運動は欠かせないものです。しかし運動の目的はそれだけではありません。運動はこころを落ち着けるために行います。ハードなことをやろうとすると重たい腰が上がらなくなりますから、こまめに、少しでもいいから、体を(もしくは体の一部を)動かすようにします。例えばデスクワークが長く続くのであれば、イスに座ったまま肩をまわす、両腕を上げて万歳をするなど何でも構いません。そんなことでやせるのか?と思うかもしれませんが、これらはカロリーを消費させることが目的ではありません。こまめに動いて、こまめにストレスを溜めないために行います。

気の流れをよくする

東洋医学的に考えれば、健康でいるためには体内の「気」の巡りがとても重要です。気は目に見えないので、イメージしにくいものです。しかし「気分がいいときの感覚」はわかります。気分がいいと感じているとき、気の流れはよくなっています。運動はカロリーを消費するためだけなく、こころを落ち着けるために行います。激しい運動をしなくても、気の流れはよくなります。

食べることの意味

食べることもまた、カロリーを摂取することだけが目的ではありません。日頃から必要な栄養が足りていないと、イライラしたり、怒りっぽくなったります。いわゆる「キレる子ども」が切れてしまう背景には、食生活に問題があることが指摘されていて、「食」には、こころを育て、気持ちを落ち着けるといった大きな意味もあります。空腹で血糖値が下がると、思考が鈍り、考えがまとまらなくなることがありますが、これは食べることで血糖値が戻れば解消されます。食べることにより分泌される脳内物質により幸福感を得ることができます。しかし食べることだけに頼ってしまうと、先に述べましたように、太ることをはじめさまざまな問題を生じてしまいます。

東洋医学では、食べるとは、食べることで食べ物の持っている「気」を体内に取り入れると考えます。必要以上に取り過ぎた気は、使われることなく体の中に溜まり、これが病気や体調不良の原因になります。

肥満と鍼灸

ここに鍼をうてば体重がみるみる落ちる、というようなツボがあるわけではありません。鍼灸には、冷え症を改善させる、体調を調える、よく眠れる、疲れにくい体質にするなどのことで、「肥満」に働きかけることができます。

馬込沢うえだ鍼灸院



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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