ストレスで元気になる
ストレス反応
人間はストレスがかかると、体の中でさまざまな反応が起こります。血圧や血糖値、体温が上がるのは身を守るために必要な「ストレス反応」です。このような体内においての非日常的な状態は、あくまで緊急事態を回避するためのもので、ストレスのかかった状態が長く続けば、体にさまざま悪影響をもたらします。しかし、適度なストレスであればそれに適応しようと、体は強くなります。
筋トレも鍼灸もストレス
筋力トレーニングを例にとれば、重たいと感じるものを持ち上げることで筋肉線維に微小に傷がついたり、体が疲労したりします。このとき休養と栄養を十分に取ると、数時間から数日の間に傷が修復され疲労が解消されるだけでなく、以前よりも筋肉線維は丈夫になり、筋力も強くなるという現象が起きます。この現象を「超回復」といい、これを繰り返すことで筋肉は発達していきます。トレーニングの原則の一つである「オーバーロード(過負荷)の原則」はこのようなものです。
また、鍼灸治療は、傷をつけたり、やけどをさせたりする行為で、これが体にとって刺激となります。その後、組織が修復される過程において、白血球の働きが盛んになり免疫力が高まります。
美容鍼で肌が美しくなる理由
美容鍼で、マッサージや化粧品にはない効果を得られるというのは、鍼は皮膚の真皮層にまで刺激を届かせることができるからです。鍼によってミクロのレベルでついた傷を修復しようと細胞が活性化して代謝がよくなり、ターンオーバー(皮膚細胞の入れ替わり)のサイクルが早まります。
筋肉を発達させるための筋トレも、潤いのあるみずみしいお肌を得るための美容鍼も、生体に刺激を与えるための行為なのです。
適度なストレス、適度な休養
このようにストレスという刺激がなければ、人間がもつ体の機能が今以上に高まることはありません。これは体に限ったことではなく、試練を受け、それを克服することで人間的に成長するなどというのも同様であるといえるでしょう。問題なのは刺激が強すぎること。休養も十分ではなく、超回復が起きる間もなくストレスを受けるとオーバーワークとなり、心身のケガや病気につながります。
このようにストレスは多すぎても少なくても体にとってよくありません。ストレスによる交感神経過剰は、ガン、脳梗塞などの血管障害などをはじめ様々な病気をもたらし、リラックスのし過ぎはリンパ球増多からアレルギー疾患を引き起こすといった話もあります。
がんばり過ぎることなく、ストレスとはうまくつきあっていきたいものです。
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