食べ過ぎるのは私だけ?

つい食べてしまう

摂取カロリーが多いことによって何かしらの不都合を生じた場合、それは「食べ過ぎ」ということになります。多くの場合「食べ過ぎることで病気になってしまうかもしれない、太ってしまうかもしれない、だからできれば食べたくない。いくら食べても病気にもならず太ることもないというのであれば話は別だが、そうでないのなら食べたくない」というのが本当のところ。でも、つい、食べてしまうから悩ましいわけです。

なぜ食べてしまうのか?

なぜ自分の意志に反して食べてしまうのかといえば、食べることで脳内で快楽物質が出され、ストレスから生じている不安やイライラを解消することができるからです。このストレス解消は長くは続かないのですが、手っ取り早いのでつい食べてしまいます。またストレスによって胃酸の分泌が一過性に増え、その情報が脳に届くと「食べろ」という指令がでて食欲が増します。これはやけ食いといわれたりします。

女性の場合、生理前(黄体期)に食欲が増す傾向にあります。黄体期とは、もし妊娠していれば出産が終わるまで続くもので、胎児が成長するための大切な期間です。この時期に分泌量が増えるプロゲステロン(黄体ホルモン)の影響で水分や栄養分を溜め込もうとして、食欲が増すのではないかといわれています。つまりこの時期だけの食欲増加は生理的なものですから当然ともいえます。

病的な食欲

程度の差こそあれ、食べ過ぎることの背景にはストレスがあります。食べ過ぎによる弊害に糖尿病や膝の痛みといったものがありますが、冒頭でも述べた通り、ストレスをうまくコントロールし、体調に異変がみられないのであれば問題はありません。過食と嘔吐を繰り返す「過食症」やうつ病的な症状がみられる場合、早めに医師に相談しましょう。

東洋医学的に食べ過ぎをみると

人間は五臓六腑を体内に有し、その力によってエネルギー物質である気血水は巡り、また気血水によって五臓六腑は滋養されます。ストレスを最初に受け止めるのは五臓の中の「肝」という臓です。肝によって処理しきれなかったストレスという負のエネルギーが消化器に向いてしまったのが「肝脾不和」というもので、西洋医学的な病名でいえば、神経性胃炎、神経性食思不振症、過食症、過敏性腸症候群などが該当します。※脾とは消化器全般のことです。

食べ過ぎと鍼灸

食べ過ぎることへの鍼灸的アプローチは、肝の気を落ち着ける「疏肝理気」と、脾の働きを正常にする「補脾気」がメインとなり、軽いものであれば、定期的な鍼灸治療でコントロールしていくことが可能です。しかしこれは、ストレス自体をなくすものではありません。根本的な解決を図るためには食べ過ぎの背景にある環境的因子を取り除く、もしくはストレスをうまく処理するといったことが必要で、医師の診察による長期的な治療を必要とするケースもあります。

食べ過ぎをコントロールするために自分でできること

前述のとおり、東洋医学的にみて、食べ過ぎをコントロールするポイントは2つあります。一つは肝、一つは脾です。これは西洋医学にいえば、自律神経やホルモン分泌の中枢である視床下部に影響を与える大脳と、消化器系の2つということになります。

〇瞑想する

定期的な瞑想により大脳がリラックスすることで、異常な食欲が減ることが期待できます。一日5分でいいので、目をつむってこころを落ち着けるようにしましょう。うまく瞑想状態に入れたとき、脳は睡眠と覚醒の間にいるような状態になります。完全に寝てしまっては瞑想の効果は得られませんので、横になってやるよりも、坐ってやることをおすすめします。

〇カロリーが低く、満腹感が得られるようなものを食べる

豆腐などの大豆食品、繊維質の豊富なこんにゃく、小魚、ナッツなどを多めに取るようにし、血糖値の上昇が早い甘いものの食べ過ぎには注意します。

〇規則正しく食べる

規則正しく食べると体は栄養をスムーズに取り入れ、それによって余分なカロリー摂取を抑えることができます。規則正しく食べるめには、規則正しく寝て、規則正しく起きることと合わせて、食べるべき時間にお腹が空いていることが必要です。そのためにも適度に運動する習慣をもちましょう。

馬込沢うえだ鍼灸院




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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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