虚領頂頚で美しく、健康になる
虚領とは
虚とは、ここでは「力みがないこと」、領はうなじ。虚領とは領に力が入っていないこと。「領」とよばれる場所である首の後ろにある筋肉は、頭板状筋、頚板状筋、頭半棘筋、僧帽筋の上部などです。虚領とはこれらの筋肉に力が入り過ぎていないこと。これらの筋肉に力が入ると首が後傾して視線が上がるようになるか、もしくはアイソメトリック的にこれらの筋肉がこわばると、動作として表れなくても「虚領」ではなくなります。※アイソメトリック:等尺性筋収縮と呼ばれ、筋肉の長さが変わらずに筋力が発揮されること。
頂頸とは
頂きはてっぺん、ツボなら百会。イメージとしては、頚を上(頂き)に向かって伸ばすこと、でしょうか。しかし筋肉は自らの力で縮むことはできても伸びることはできませんから、あくまでイメージです。立身中正、尾閭中正、沈肩垂肘、含胸抜背、虚領頂頚、そして気沈丹田はどこを意識するかが違うだけで、すべてつながるものです。気は丹田にありつつも、脊柱から四肢体表に広がることが本来の姿です。頂頸とは、気を丹田に沈ませ尾閭を中正にすれば、頂きに達するということ。太極拳要諦は、身体だけでなく、体内の気の流れ、精神の在り方までも含んでいます。
よい姿勢とは
よい姿勢とは、理にかなった姿勢のことです。ふつう「よい姿勢」といったきは、いわゆる「気をつけ」の姿勢のときによい姿勢であるということ。よい姿勢のイメージが人によって大きく違うということはないと思いますが、状況に応じてよい姿勢または理にかなった姿は同じではありません。例えば、お腹が痛いときは、痛いところ(お腹)をかばう背中を円めた姿勢が理にかなっています。またスポーツを行っているときであれば、ふつうイメージされるようなよい姿勢がよい姿勢とは限りません。
太極拳要諦が求めるよい姿勢
太極拳をなんのためにやるかといえば、武術的に強くなるため、心身の健康のため、競技太極拳で勝つため、のおおよそどれかに当てはまります。つまり太極拳要諦を実践できたとしても、武術的に支障をきたしたり、心身の健康とは離れた方へ向かってしまったり、競技太極拳で認められないようなものでは意味がありません。虚領頂頚など、よいとされる姿勢に対しての意識をもち、またそれについて考えることは何か特別なことがない限り、一般の方にとってそう多くはないでしょう。
太極拳で姿勢作り
太極拳をなんのためにやるかといえば、武術的に強くなるため、心身の健康のため、競技太極拳で勝つため、のおおよそどれかです。もちろん、よい姿勢や見た目の美しさが目的であっても全く構いません。心身の望みに対して、姿勢の面から取り組むのも大いにありでしょう。
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