お肌のお悩みに、美容鍼
お肌の悩みには、乾燥肌、脂性肌、ニキビ、シミ、シワ、むくみ、たるみなど様々あります。
お肌のトラブルの原因
お肌のトラブルの原因として考えられるものには、加齢、睡眠不足、栄養の偏り、胃腸の不調、ストレス、たばこ、活性酸素、紫外線、空気の乾燥など、実にさまざまなものがあります。
このうち、お肌に直接影響を与える外的な要因は「紫外線」と「空気の乾燥」だけです。それ以外のほとんどは、体の内側の状態、すなわち内的な因子によるものだといえるでしょう。
一方、一般的に「お肌のお手入れ」といえば、化粧水や乳液、美容液、クリームなどを塗るといった、皮膚の外側からのアプローチが主になります(サプリメントなど、経口摂取によるケアもありますが)。
もちろん、紫外線や乾燥などの外的要因を避けることも大切です。しかし、「お肌のお手入れ」の効果をより高めたいと考えるなら、外からのケアだけでなく、内側からのアプローチが欠かせません。
たとえば、規則正しい生活を送り、適度に体を動かし、十分な睡眠をとること。栄養のバランスに気を配り、ストレスをためこまないよう心がけること。こうした習慣こそが、肌そのものの力を引き出し、美しさを育てていく土台となるのです。
もし今、生活が不規則で、運動不足、睡眠不足、栄養の偏りがあり、ストレスも多い…という状況であれば、それは言い換えれば、お肌がもっと美しくなれる「のびしろ」がたっぷり残されているということでもあります。
●睡眠不足による成長ホルモンの減少
睡眠不足はお肌にとって大敵です。睡眠の役割には心身の疲労を回復させるほか、傷ついた組織の修復があります。とくに皮膚は、紫外線によるダメージを受けやすいため睡眠中の修復が非常に重要です。皮膚の修復は成長ホルモンの働きによって行われ睡眠不足による成長ホルモンの減少とターンオーバーの乱れ
睡眠不足はお肌にとって大敵です。睡眠には心身の疲れを癒すだけでなく、日中に受けたダメージを修復する働きがあります。とくに皮膚は、紫外線や乾燥、摩擦などの刺激を日々受けているため、睡眠中の修復作業が非常に重要です。
この修復に関わっているのが「成長ホルモン」です。成長ホルモンは、深い眠り(ノンレム睡眠)のときに多く分泌され、傷ついた細胞や組織の修復・再生を助けます。皮膚の細胞も例外ではありません。そのため、お肌の健康や美しさを保つためには、十分な質の良い睡眠が欠かせません。
睡眠が不足すると成長ホルモンの分泌が減少し、細胞の修復や新陳代謝が滞ってしまいます。これにより肌のターンオーバー(皮膚の生まれ変わりの仕組み)が乱れることになります。
ターンオーバーとは?
ターンオーバーとは、皮膚の一番外側にある表皮が新しい細胞に生まれ変わるサイクルのことを指します。表皮の奥にある基底層(きていそう)で新しい細胞がつくられ、それが少しずつ押し上げられて角質層へと変化し、最終的に垢となって自然に剥がれ落ちます。この一連の流れが、肌を常に新しく保つための仕組みです。
健康な肌では、ターンオーバーの周期は約28日間といわれています。しかし加齢や睡眠不足、ストレス、栄養の偏りなどによって、このサイクルは簡単に乱れてしまいます。
ターンオーバーが遅れるとどうなる
ターンオーバーが遅れると、古い角質が肌にとどまり続け、くすみやゴワつきの原因になります。また、紫外線によってつくられたメラニン色素が肌に残ったままになるため、シミが目立ちやすくなります。
さらに、肌の表面がガサガサ・ゴワゴワとした質感になり、透明感やなめらかさが失われます。これは、よく例えられる「ゆで卵のような肌」とは正反対の状態です。つまり、ターンオーバーの乱れは、肌の質感や色ムラにも直結するということです。ます。成長ホルモンは寝ている間に分泌されるため、お肌の健康のためには質のいい睡眠が不可欠です。睡眠が足りていないと成長ホルモンの分泌量の減少から、新陳代謝も滞ります。これにより、ターンオーバーが進まなくなってしまいます。
•線維芽細胞の機能低下がもたらす肌のハリと潤いの喪失
ハリのあるみずみずしい肌を保つためには、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった保湿成分が不可欠です。これらは、表皮の下にある「真皮層」に存在する**線維芽細胞(せんいがさいぼう)**によって産生されます。
しかし、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減少し、それにともない線維芽細胞の働きも鈍くなります。その結果、コラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸の生成が減少し、肌の弾力性や保湿力が低下してしまうのです。
さらに水分保持力が落ちることで、肌はかさつきやすくなり、乾燥が進むと線維芽細胞の機能もさらに低下するという悪循環に陥ってしまいます。
肌の内側からハリと潤いを保つためには、質の良い睡眠をしっかり確保し、線維芽細胞の活動を活性化させることがとても重要です。
★お肌と冷え症
冷え症になると血行が悪くなり、体のすみずみにまで十分な血液が行き届かなくなります。血液は肌に栄養や潤いを運ぶ重要な役割を果たしているため、血行が滞ると肌にくすみが生じたり、ハリや弾力が失われたりする原因になります。
また、冷え症は単に「寒がり」なだけでなく、さまざまな体調不良と関わっています。冷えを改善して体全体の調子が整ってくると、自然とお肌の状態も良くなっていくのです。
★お肌と栄養
健康的な肌を保つには、皮膚の新陳代謝である「ターンオーバー」がスムーズに行われることが大切です。そのためには、タンパク質・炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルという5大栄養素をバランスよく摂取することが欠かせません。
過度なダイエットや偏った食事により栄養が不足すると、肌の調子が崩れ、乾燥・くすみ・吹き出物などさまざまなトラブルが起こりやすくなります。美しい肌をつくるためには、「食べること」が何よりのスキンケアとも言えるのです。
★お肌とストレス
ストレスはホルモンバランスや自律神経のはたらきを乱し、それが肌の不調につながることがあります。肌荒れが続いたり、ニキビや湿疹が悪化したりする原因のひとつに、実はストレスがかかわっていることが少なくありません。
とはいえ、ストレスを完全になくすことは現実的ではありません。大切なのは、ストレスとうまく付き合うことです。気分転換になる趣味を持つ、よく笑う、自然にふれる、友人と話すなど、自分なりの「リセット法」を見つけてみましょう。気持ちが軽くなると、自然と眠りの質もよくなり、体調が整い、それが肌にも良い影響をもたらします。まさに、心と体と肌の「よい循環」が生まれるのです。
お肌のトラブル
●しみ
シミは、紫外線から肌を守るために分泌されたメラニン色素が蓄積し、沈着してしまったものです。つまり紫外線を避け、代謝を促せばシミを予防することができます。加齢とともに皮膚組織の入れ替わりである「ターンオーバー」に時間が掛かるようになり、50代では20代のころのおおよそ倍の時間を要するといわれています。またターンオーバーが遅くなると、吹き出物やニキビが治りにくくなります。鍼には、このターンオーバーのサイクルを早め、色素沈着や防ぐ働きがあり、吹き出物やニキビの治りを早めます。さらには代謝がよくなり老廃物が溜まりにくくなると、乳液や保湿液などが浸透しやすくなります。
●しわ、たるみ
顔の筋肉が衰えると、筋肉の上にある皮膚組織を支えられなくなって、シワやたるみが生じます。顔の筋肉は深層部にある深層筋と表層部の表情筋の二層構造になっていて、深層筋には、噛むため「咬筋」と咬筋とともに咬むために使われる「側頭筋」とがあります。表情筋は深層筋によって支えられています。咬む力をあまり必要としない柔らかいものを食べてばかりいると咬筋や側頭筋は衰え、表情筋は表情が乏しくなることで衰え、ひいてはそれがシワやたるみにつながります。
また顔の筋肉だけでなく、全身(とくに下半身)の筋肉量が多いほど、しみやシワが少ないという報告があります。筋肉トレーニングには血液循環をよくし、筋トレによって分泌される「成長ホルモン」には皮膚の代謝を促す働きがあります。また筋トレには、お肌の大敵である冷え症を改善、睡眠を深くする、食べたものが効率よく吸収されるなどの効果があり、これによって皮膚の状態がよくなり ます。
シワ、たるみは大きなものなら、ほうれい線、ゴルゴ線、マリオネット線、小さなものでは目尻など顔のいろいろなところにできる小ジワがあります。
●ほうれい線:鼻の両脇から口角に向かって伸びる線。
●ゴルゴ線:目頭から斜めに下に現れる、いわゆる涙袋の下にできる線。
●マリオネット線:口角から下アゴに現れる線。
💛コラーゲンとヒアルロン酸
年齢を重ねるにつれて、女性ホルモンの分泌が減少していきます。それにともなって、肌のハリや潤いを保つために必要なコラーゲンやヒアルロン酸といった成分も減少しやすくなり、シワやたるみといった肌の変化が現れやすくなります。
●コラーゲン
コラーゲンは、細胞と細胞をつなぎ、皮膚や関節などの組織を支える「土台」のような役割をしています。これが不足すると、肌の弾力が失われ、シワやたるみが起こりやすくなります。
●ヒアルロン酸
ヒアルロン酸は、高い保水力を持ち、肌に潤いを与えるほか、関節のクッションや潤滑剤としても働いています。不足すると乾燥しやすくなり、肌荒れの原因にもなります。
💛コラーゲンとヒアルロン酸を含む食品
コラーゲンはゼラチン、魚の皮、牛すじ、鶏の皮などに、ヒアルロン酸はうなぎ、手羽先、サケ、山芋、納豆などに多く含まれています。
ただし、食べたコラーゲンやヒアルロン酸がそのまま肌の成分として使われるわけではありません。これらの成分は消化の過程でいったん分解され、体内で再合成されるため、摂取したものが直接肌に届くとは限らないのです。
そのため、「〇〇だけを食べれば美肌になる」といった偏った食事ではなく、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが大切です。肌は、体全体の健康状態を映す鏡。日々の食生活を整えることが、美しい肌づくりの第一歩です。
●にきび
ニキビは、ホルモンのバランスが崩れ皮膚分泌が盛んになることが原因の一つとされています。メディア等でニキビ予防のための洗顔方法が紹介されています。肌を清潔に保つことは大切なことです。しかしニキビで悩んでいる人の多くは、すでに、洗顔に使うための石鹸やそれに関連することについては行っています。にもかかわらず、なかなかよくならないから悩んでいるわけです。ニキビができている場所(多くは顔)だけのお手当では限界があります。ニキビをよくするためには、いかにこころも含めた全身の治療ができるかがカギとなります。
●むくみ
むくみは気血水のうち、とくに水が滞った状態です。水とはリンパ液や関節液などのことです。水は気の力によって流れますから、水の滞りを防ぐためには、気が正常に働くようにしておかなければなりません。ストレスをためないこと、体を冷やさないことがとても重要で、そのためには睡眠不足をさけ、適度に運動し、栄養バランスの取れた食事をこころがけるようにしましょう。また鍼灸で「小顔」になれるというのは、鍼灸は顔のむくみを予防解消することができるからです。
●くすみ
健康的で明るい印象を与える顔の条件のひとつが「血色のよさ」です。血色が悪くなると、顔全体が暗く見え、実際の年齢より老けた印象を与えてしまいます。
くすみの原因のひとつは、本来は自然に剥がれ落ちるはずの角質が肌表面にとどまり、角質層が厚くなることです。これにより、顔の毛細血管が皮膚の奥深くに見えにくくなり、肌の透明感やツヤ、明るさが失われてしまいます。結果として、肌は本来の血色を失い、くすんだように見えるのです。
顔の血色は、顔だけでなく全身の血液循環の状態に大きく左右されます。そのため、くすみを改善するためには、スキンケアやマッサージといった局所的なケアだけでなく、全身の循環を整えるようなアプローチ――たとえば、鍼灸や漢方、運動、食生活の見直しなど――がとても有効です。
●乾燥肌、脂性肌
●乾燥肌:角質細胞同士が剥がれないようにしている細胞間脂質が「セラミド」という物質です。このセラミドには水分をつなぎとめる働きがあり、セラミドが減少すると細胞と細胞の間に隙間ができて、そこから水分が蒸発して乾燥肌になります。
●脂性肌:主に脂性肌を促すホルモンには、男性ホルモンであるテストステロン、女性のホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)の2つがあります。思春期に増えやすいのがテストステロン、女性の月経周期の黄体期に増えやすいのがプロゲステロンです。これらホルモンが過剰に分泌したり、ホルモンのバランスが崩れたりするのを防ぐために、規則正しい生活を送り、ストレスを溜めないようにしましょう。
美容鍼の効果
顔への鍼治療の美容効果は2つあります
①経皮吸収の促進
刺鍼による皮膚の透過性亢進により、化粧水、クリーム、ローションなどの吸収が飛躍的に高まります。
皮膚最外層の角質は、外部の様々な刺激から体を保護するためにあります。そのため、水分や化学物質などの異物が、皮膚を透過して体内に侵入することは通常はありえません。これは高価なスキンケア商品であっても同様です。 鍼を刺すことによって角質にミクロの穴を空けることで、この問題をクリアしたのが美容鍼です。
鍼を行うことにより、皮膚の透過性を高めるということは、体にとって良い成分も入ってきやすくなる半面、悪いものも吸収してしまう可能性もあるということです。顔鍼は「安全で副作用の少ない美容法」といわれていて、現在のところ、皮膚透過性亢進による有害物質の悪影響の事例は耳にしたことがありませんが、化粧品選びは慎重に行いたいものです。
②コラーゲン産生の誘発
鍼は皮膚に微細な傷をつけるものです。刺鍼により損傷を受けた真皮組織を修復するため、種々の細胞が損傷箇所に集まり、コラーゲンの破壊と産生といった新陳代謝が行われます。数か月後に乱れたコラーゲンの配列が修復され、新しい「細胞外マトリックス (糖とタンパク質の複合体) 」が構築されます。
新しいマトリックスが生まれる過程で細胞はみずみずしく活性化し、いい意味において皮膚は厚みを増すことになります。これにより、しわ、しみ、たるみ、かさつきなどの皮膚の諸問題が改善されます。

本治療と標治療
鍼には、本来肌が持っているポテンシャルを引き出す力があります。美容のための鍼法は、考え方としては、その他の多くの疾患に用いる方法とまったく同じです。全身(こころ及び体)の調子を調えるための「本治」と、局所の血液循環を促すなどのことを目的とした「標治」があり、これらを同時に行う「標本同治」によって相乗的に効果が高まります。全身治療をしてこそ局所の治療が活き、また顔への施鍼は体全体へ効果を与えます。本治とは、その人のタイプに合わせて体内の「気血水」の状態をよくするものであり、どんな病気や体調不良もこれが治療の根幹となります。本治のない局所治療だけでは、高く長期的な効果を望むことはできません。
化粧水、乳液、美容液、クリームなどは皮膚表面に塗るものですが、鍼は皮下の筋肉・細胞に刺激を与えることができます。刺激された細胞は、その刺激によってつけられたミクロレベルでの損傷を修復するため、新陳代謝が活発になり、ターンオーバーも促進されます。
美容のためには、局所と全身の治療が大切であることは先に述べたとおりです。全身治療の中には冷え症を改善させるということも含まれています。「冷え」は気血の巡り大きく妨げ、さまざまな病気をもたらしてしまいます。
経絡について
経絡とは、体全体に張り巡らされた、体内のエネルギー物質である気血水の通り道で、正経と呼ばれるものは全部で12本あります。また経絡上にある経穴(ツボ)は治療の際の刺激点となります。顔には主に、胃経や大腸経などの経絡が通っていることをみると、いかに消化器の調子が顔に反映されやすいか、ということがわかります。
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