舌を見て体調を知る2

東洋医学

舌がひび割れている

舌の表面に見られる溝を「裂文」、溝があってひび割れた舌を「裂文舌」といい、「陰虚」や「血虚」を表しています。陰虚とは、体の「陰分」が減っている状態です。陰とは、具体的には、水、血、潤すもの、冷やすもの、冷静さ、落ち着き、睡眠、といったもので、裂文舌の人は、体を潤すための水分が不足しています。何日も日照りが続き水不足になると、大地がひび割れてしまうように、人間の舌もひび割れてしまいます。

胃腸の不調

水分の代謝は、消化吸収とともに主に五臓の「脾」や「胃」によって行われ、裂文を生じる背景には多くの場合、脾胃の不調があります。具体的な症状としては、胃腸障害やそれにともなう胃もたれや腹部の膨満感など。このようなときは、脂っこいものや冷たい飲食物を避け、消化のよいものを取るようにします。

精神的なストレス

「脾」の消化吸収によって生じた「水穀の精微(栄養素)」は、「肝」の力によって全身を巡り、各細胞に届けられます。肝はストレスがかかったときに、それを最初に受け止める働きを担っている臓腑であるため、肝の力が及ばないと、その負のエネルギーにより体はさまざまな不調を訴えるようになります。なかでも「脾」や「胃」は影響を受けやすく、ストレス性の胃腸障害を起こします。これを「肝脾不調」「肝脾不和」といいます。

このよう脾の機能が低下すると、舌を潤すための「陰」が不足し裂文を生じます。陰虚による裂文の場合、舌の色は紅味が強く、苔はあまりありません。血虚による裂文舌の場合、紅味は少なく白っぽい舌になります。

全身の不調

舌だけでなく全身に陰虚や血虚の症状が強くみられるのであれば、脾だけの問題として対処するのでは不十分で、「肝血不足」や「肝腎陰虚」として考える必要があります。その背景には、冷えや睡眠不足があることが多く、裂文舌になる人は行動的である反面、怒りやすく、ストレスがかかるとイライラしやすい傾向にあります。

肝や腎の不調の際に見られる全身の症状には次のようなものがあります。

・皮膚がカサつく

・髪の毛がパサつく

・口が渇く

・爪が割れやすい

・手足が冷える

・眠りが浅い

冷えとの関係

冷えていると各細胞や器官・臓腑の機能が低下します。これにより体に必要な栄養生み出せなくなるのと同時に、栄養を巡らせることがうまくいきません。また下半身や手足の先が冷えにより熱は体の上の方で滞ってしまい、舌に裂文を生じさせます。

裂文舌に対しての養生法

●しっかりと眠る

しっかりと眠ることで体は本来の機能を取り戻し、気はスムーズに流れるようになり、それによって陰(血)も、舌や体の隅々に届きます。質量ともに充実した眠りをとるように心がけましょう。

●冷えを解消する

生きている体が活発に活動するためには一定の温度が必要です。体を冷やさないようにするのと同時に、運動して体自体が熱をつくれるようにすることが大切です。

●イライラしない

陰虚になりやすい人は、どちらかというと行動的である一方で、イライラしやすく、気の滞りから陰が不足する傾向にあります。もともとの性格ですから、これを変えるのは簡単なことではありません。無理のない範囲で早めに気分転換を図り、気を滞らせないようにしましょう。

※陰の不足を補おうとたくさん水を飲んでも、その背景にある肝や腎の状態をよくしなければ、陰虚や血虚は改善されません。

中央林間うえだ鍼灸院



↓クリックしていただけるとうれしいです。

にほんブログ村 健康ブログ 東洋医学へ
にほんブログ村


東洋医学ランキング