こむら返りがうっとうしい

うっとうしいこむら返り

「こむら返り」とは、ふくらはぎの筋肉が、本人の意思とは関係なしに一時的に収縮し痙攣を超すこと。

ふくらはぎがつることがあります。つってしまうと活動を一時中断せざるを得なくなります。スポーツの練習中であればまだしも、試合中につるとヒジョーに困ります。睡眠中につると、痛みのために睡眠を中断しなくてはならなくなり、これもまたヒジョーにうっとうしいものです。

筋肉は使わなくていいときは緩んでいて、使わなくてはならないときは状況に応じて、適度に緊張する(力が入る)もので、それが正常な筋肉の活動です。もしこれが力が入ってほしいときに力が入らず、力が入ってほしくない(緩んでほしい)ときに、自分の意思とは関係なしに力が入ってしまうということになるとヒジョーに困ります。「こむらがえり」の場合、数秒から長くても数分の内に収まりますから、それほど心配要らないとはいっても、しょっちゅう、毎夜ということであれば、なにかしらあるであろう原因をみつけて、対応しようということになります。

こむら返りが起きるとき

こむら返りが起きやすいのが運動中や睡眠中で、とくに体が冷えているとそれを助長させます。神経の働きが正常ではなくなったり、血液の供給量が不足するような条件下で筋肉はつりやすくなります。活動量が増している運動中と、活動量がほぼゼロの睡眠中とでは条件が真逆のようですが、活動量に対して、神経の働きが追い付かず、血液の供給量が足りていないということでは一致しています。寝ている間は全身の血流量が減り、とくにふくらはぎは心臓から遠い所にあり血液が届きにくいためにつりやすいと考えられます。

腰痛とこむらがえり

腰とふくらはぎは神経でつながっています。腰の部分で神経が圧迫されるようなもの、例えば腰椎の椎間板ヘルニアがあると神経の活動が障害され、それによって筋肉がつることがあります。

冷えとこむらがえり

とても寒い日の運動中や、プールの中でつることが多いのは体が冷えるためで、寝ている時間(とくに寝入ってから時間の経った明け方)に多いのも、その時間に体の機能がもっとも低下するためです。もともと冷え症の人は睡眠中につりやすい傾向にあります。

ストレスとこむら返り

精神的ストレスがあると睡眠中も筋肉は完全にリラックスできず、つりやすくなります。このよう場合、寝る前の入浴ストレッチが効果的です。

こむら返りは陰虚?陽虚?

陰とは、体内の水分など体を冷やしたり潤したりするもので、陽とは体内の熱です。大量発汗により水分と電解質が不足すると痙攣を起こしやすくなります。水分と塩分を摂取することで予防できることを考えればこむらがえりは陰虚であるととらえられます。夏にこむら返りが起こりやすい人は、熱中症になりやすい可能性が高いかもしれません。反面、冷えることで血流が悪くなったり、神経の働きが正常でなくなったりすることで起こるということをみれば、こむらがえりは陽虚の一症状であるともいえます。結論をいえば、水分や塩分などの栄養をしっかりと摂取し、体を冷やさないようにする、補陽補陰がともに大切であるということです。

こむら返りを予防するために

〇栄養バランスの取れた食事

大量の発汗にともなっておこる筋肉の痙攣は、応急処置的に水分や塩分を補給することが必要ですが、普段から栄養バランスのよい食事を取り、筋痙攣やこむら返りを予防することが大切です。一時的な補給のためにはスポーツドリンクや梅干しなどが便利です。

〇体を冷やさない

ふだんから体を冷やさないことと合わせて、冷え症を積極的に改善していきます。入浴時にはしっかりと湯船に浸かるようにしましょう。体が温まることで眠りも深くなります。

〇睡眠を充実させる

こむら返りが明け方に起こりやすい人は眠りが浅い傾向にあり、眠りが浅い人は多くの場合冷え症です。こむら返りを予防するためには眠りを深くし、眠りを深くするには冷え症を改善させる必要があります。

〇適度に運動する

適度に運動することによって血流をよくしたり、神経の働きを正常にしたりすることができます。また冷え症を改善させるため、睡眠を充実させるためにも、運動は欠かせません。とくにこむら返り予防のためには、日ごろからふくらはぎをストレッチしておくようにしましょう。

こむら返りと鍼灸

こむら返りが主症状で鍼灸院に来られる方はほとんどいません。しかし何かしらの問題があって来院しているわけで、話を聞くと「こむら返りを起こしやすい」という人は少なくありません。起こるはずのないこむら返りが頻繁に起こるというのは、やはり本来の姿ではありません。先述しました通り、こむら返りは陰虚でも陽虚で起こります。鍼灸で陰虚や陽虚を改善しておくことは、多くの病気を予防することになります。

不妊とこむらがえり

妊娠しにくい人にこむら返りが多いという話があります。先に述べましたように、こむら返りを起こしやすい体は、陰虚でもあり陽虚でもありますから、これを改善させることで妊娠しやすくなることは十分あり得ることです。妊娠は腎との関りが深く、多くの場合下半身に表れる症状は腎虚です。また筋活動は主に五行の肝により主られています。腎精の不足が肝におよんで肝血不足となれば、こむら返りが起きやすく、妊娠しにくいという状況になってもおかしくありません。

馬込沢うえだ鍼灸院



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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