ちょっと動くと汗が出る

東洋医学

出過ぎる汗は気虚

体温調節のための発汗機能は、生体を守るために備わっているとても大切なものです。もし汗が出なかったら、体温の上昇を抑えられずに死んでしまいます。発汗はとても大切。かといって、出過ぎるのも問題です。汗の量が異常に多く、疲れやすい、ちょっと動くだけで動悸や息切れがする、手足が冷える、立ちくらみが多い、などのことがあればそれは「気虚」です。積極的に改善していくことをお勧めします。

気の作用

気の働きが低下した状態を「気虚」といいます。気にはさまざまな働きがあり、ちょっと動いただけで汗をかくのも、気虚の一症状です。

●推動作用:人の成長や発育、すべての生理活動、新陳代謝に関わる作用。また推動という言葉からわかるように血や水といったもの(また気自身も)は、気の推動作用によって全身を巡っています。

●温煦作用:臓腑・器官などの組織を温め、体温を保持する作用。生体が尊命するためには一定の体温維持が必要です。

●防衛作用:体表において外邪の侵入を防ぐ作用。また内部に侵入した外邪や内部で発生した内邪の動きを阻止する作用。

●固摂作用:血や水、精液などが出ていかないようにする作用。尿や大便の排泄も、この固摂作用によって調節されています。

●化生作用:血や水などの体を養う成分が作り出される作用。食べものが体に吸収されるために形を変えるのは化生作用によるものです。他に、ガス交換、水が尿に変わる、大便の形成などがあります。

ちょっと動くだけですぐに汗が出るのは

●温煦作用の低下

四六時中汗をかいている人がいます。これはいつも走っているからとか、いつも運動しているからということではなく、ふつうの人であれば汗をかくような状況ではないのに汗が出るということ。汗が出っぱなしという感じです。

このような人は太っていることが多く、気の温煦や固摂の作用が低下しています。温煦という体を温めるための気の作用が低下していると冷え症になります。温度の変化に対する許容量が狭く、ちょっと動くだけで汗が出ます。また体に湿痰が溜まっていると、異常に汗が出やすいといったことが起きます。湿痰とは、アルコールや甘い物の取り過ぎや運動不足によって、体内に生じる余分な水分のことです。気虚には、陰虚、陽虚があって、陰虚の人は暑がり、陽虚の人は寒がりです。両方という人もいて、このような人は湿痰が生じやすい傾向にあります。

●固摂作用の低下

固摂作用とは、体内の成分が漏れ出てしまわないようにつなぎ留めておく働きのことで、主に五臓の腎が主っています。必要以上に汗をかくというのは、気虚による固摂作用が低下と考えられます。

●推動作用の低下

血も水も、気自身も、気の働きによって体内を巡ります。気虚によって気の推動作用が弱くなると、気が特定の部分で停滞してしまいます。気は陽の性質をもち上昇しやすいということに加えて、下半身の冷えが障害となり、頭・顔面部で滞りやすいといった特徴にあります。

気虚には補気

気虚には、補気が必要です。積極的に補気することで、日常生活を快適に送るために、発汗などの不快な諸症状を軽減させていきましょう。

●適度に運動する

動くと汗をかくからといって、運動をしないでいるといつまでもその状況は変わりません。適度に運動することで、気は補われます。また体内に溜まった痰湿を追い出すためにも、運動は不可欠です。

●規則正しい生活

ちょっと動いただけで汗をかくのは、現代西洋医学的にみれば自律神経の乱れととらえることができます。自律神経の働きを正常なものとするためには、規則正しい生活が大切です。思い当たることがあれば改善していきましょう。

中央林間うえだ鍼灸院

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