感情の起伏が少ないのは生れつき?

東洋医学

性格は十人十色

感情の起伏が激しい人とそうでない人がいます。感情が、表情や態度に表れないだけということもあります。昔の武士はポーカーフェイスを装う訓練をしていたそうです。感情的かどうかは、あくまで他人との相対的なものですが、一般的にみて感情の起伏が激しいのは「実」、少ないのは「虚」です。もちろん、どちらがいいとか悪いとかいうものでもありません。しかし、うつ病や統合失調症は、感情の起伏が少なくなり、それにともなって表情も乏しくなるといった傾向があります。もし、感情の起伏が無くなっていることが「その人らしさ」が失われたものであるのであれば、やはり本来の状態に戻ったほうがいいでしょう。落ち込んでいるわけでも、気持ちが塞ぎ込んでいるわけでもなく、それが通常なのであればまったく問題はありません。

感情の起伏が少ない「気虚」

気の働きが弱くなったものを気虚といいます。気の作用には次のものがあります。

●推動作用:人の成長や発育、すべての生理活動、新陳代謝に関わる作用。また推動という言葉からも わかるように血や水といったもの(気自身も)は、気の推動作用によって全身を巡っています。

●温煦作用:臓腑・器官などの組織を温め、体温を保持する作用。生体が尊命するためには一定の体温が必要です。

●防衛作用:体表において外邪の侵入を防ぐ作用。また内部に侵入した外邪や内部で発生した内邪の動きを阻止する作用。

●固摂作用:血や水、精液などが出ていかないようにする作用。尿や大便の排泄も、この固摂作用によって調節されています。

●化生作用:血や水などの体を養う成分が作り出される作用。食べものが体に吸収されるために形を変えるのは化生作用によるものです。他に、ガス交換、水が尿に変わる、大便の形成などがあります。

気は、推動作用によって血や水を動かします。また気自身も、推動作用によって体内を巡ります。陰陽で見た場合、動は陽(静は陰)に属します。よって気の巡りがよければ感情も、それにともなう表情も豊かなものになります。逆に、気や陽が失われると感情の起伏が少なくなります。

気が虚す

推動作用の低下は気虚の一つで、気が虚す原因にはオーバーワーク、ストレスなどがあります。自分の能力を超えて走り続ければ、いずれペースを落とさなくてはそれ以上進めなくなってしまいます。またストレスを抱えながら走ることは、身軽な状態で走ることに比べて多くのエネルギーを消耗します。快適に走るためには。ペース配分、エネルギー補給、自分なりに走りやすい状況を調える、といったことが必要です。

うつ病のときに、動きが緩慢になったり、表情が乏しくなったりするのは、エネルギーの消耗を避けるためで、これは人間に備わった防衛本能といえます。

気が巡らなければ熱が生まれませんから、程度の差はあっても気虚の人は陽虚でもあります(※陰虚の症状が強くでる人もいます)。つまり、そのときの体力の状態に応じて体を温めることで、少しづつ元気を取り戻すことができます。体を温める方法には、運動、入浴などがあります。しかし、どちらも「過ぎる」とエネルギーを消耗をさせてしまいますから、気を付けて。

先天の気、後天の気

体内において生命活動を行うための気には、酸素と食べ物から作られる「後天の気」と、両親から受け継いだ「先天の気」とがあります。五臓の中で、後天の気は脾、先天の気は腎と深く関わります。つまり気の力が弱いと感じた場合、脾と腎を補わければなりません。

●脾を補う

脾とは、現代西洋医学でいえば消化器の働きに相当します。つまり脾を補うために、日ごろから胃腸に負担をかけないように気を付け、かつ栄養バランスの取れた規則正しい食事を取ることが重要です。

●腎を補う

腎とは生命の源であり、腎が弱くなると体にどのような症状が出てもおかしくありません。腎を補うためにもっとも大切なのは睡眠です。質量ともに充実した睡眠を取るようにしましょう。

脾と腎は、生きていることの証でもある「熱」を生み出しています。脾の機能低下による冷えが「脾陽虚」、腎の衰えによる冷えが「腎陽虚」で、双方が合わさったものが「脾腎陽虚」です。

鍼灸で気を補う

脾や腎を補うために効果的なツボがあり、ツボを刺激する方法には、鍼や灸、指圧などがあります。とくに鍼は指圧と違い、組織に傷をつけることができます。目には見えないこの傷を治す過程において自然治癒力が発揮されます。

中央林間うえだ鍼灸院



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