口が苦いのをなくすには気のめぐりをよくする
東洋医学では口の苦さを「口苦」といいます。口苦を無くすためには、気や血・水の巡りをよくする必要があります。
臭うのではないか
口苦はそれ自体大きな問題ではありませんが、「臭うのではないか」との心配のし過ぎが問題です。心配し始めると、そのことばりを考えて他の事が手につかなくなる人もいますが、本人にしてみれば心配なものは心配です。また気のせいだけではなく、本当に苦いのであれば体調不良の一症状ですから、治したほうがいいですね。
肝機能の低下
口の苦さは、西洋医学では、肝臓の機能の低下により血液中に流入した胆汁(胆汁は苦い)のため、と考えられています。
東洋医学でも口苦は「肝」との関りが深い症状です。肝は「疏泄」を担います。疏泄とは「滞りなく巡る」と言う意味。気や血や水がスムースに体内を巡ることができるのは、肝が調子よく働いてくれるおかげです。この「肝の疏泄」の働きがわるくなると、気の流れの滞りに伴って湿が停滞し、口が苦くなります。
精神的ストレス
自然界と照らし合わせると、五臓の中で、肝は「木」の特徴をもつ臓で、これを「肝木」といいます。木は本来上へ上へと伸びていくもので、肝も木も、行く手を妨げられると本来の力を発揮できなくなります。その症状一つが疏泄機能停滞による口苦。肝木の行く手をさえぎる主な原因は精神的ストレスです。
つまり多くの場合、口苦の犯人は精神的ストレス。精神的ストレスが肝を侵し、その矛先が脾(消化器)に向いた結果として口が苦くなるケースもあります。どちらにしても口苦の背景にあるのは精神的ストレス、あるいはそれに伴う体の疲れ。
口苦を無くすためには肝の疏泄の働きを取り戻して、気や血や水の巡りをよくします。そのためには睡眠時間の確保と体を温めることが効果的。入浴がおすすめです。消化のわるいものは控えたほうがいいですね。
口苦と鍼灸
鍼灸には、肝気の鬱滞をなくす、消化器の調子を整える、よく眠れるようになる、などの効果があり、口苦にも有効です。
読んでくれてありがとうございます。
肝の症状には、口苦の他に、脇や胸の辺りの張り、不眠、風邪をひきやすい、また治りにくいなどがあります。どのような場合でも、強い症状が急に表れたら病院で受診してください。
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