瘀血ってなに?
東洋医学では、体内を「気・血・水」が滞りなく循環することで健康が維持されると考えます。つまりすべての病気は、これらの巡りが悪くなることで起こります。そのうちの一つが血の巡りが悪くなった状態で、これを血瘀症といい、血瘀症によってできたものが「瘀血」です。
なぜ瘀血ができてしまうのか?
血の運行は「気」の推進作用によっておこなわれるため、気の力が弱くなると血の流れも悪くなり、瘀血が生じます。精神の抑うつ、脂っこいものの食べ過ぎなど食生活によるもの、極度な暑さや寒さなどが原因となり、打撲などの外傷でも起こります。
瘀血の症状・所見
瘀血によって起こる病気には、月経不順、月経痛、不妊、脳血管障害、心臓疾患、動脈瘤、静脈瘤、痔、子宮筋腫、卵巣嚢腫、痔、肝硬変、各種がん、下肢壊死など様々あります。血は本来、体のすみずみにまで行き渡り、細胞、器官に栄養を与えています。血の停滞によって生じるのが瘀血ですから、瘀血は、血によって営まれている臓腑や各種の働きすべてに悪影響をおよぼす可能性があります。また、瘀血の人の特徴として、唇や歯茎・爪の色が紫っぽい、皮膚がくすむ、便秘がち、顔色が浅黒い、口やのどが渇きやすい、といったものがみられます。
瘀血改善のためのセルフケア
●冷えの改善
体が冷えることで、気・血・水の流れはすべて悪くなります。冷たい飲食物を避け、体を冷やさないようにします。入浴時には湯船に浸かってしっかりと体を温めましょう。お灸も効果的です。お灸を行うときに用いるツボは、合谷、血海、三陰交、関元、足三里など。食後すぐは避けてください。※熱さによって水分が蒸発することで血がドロドロしたものとなり、瘀血が生じるケースもあります。寒と熱どちらにしても、生体に過度の負担がかかるような環境はよくありません。
●ウキウキ、ワクワクをすることをする
血の流れをよくするためには、気の力をつねに補っておく必要があります。気持ちが落ち込むと、気の推進作用が低下し、血も停滞してしまいます。自分にとって気持ちが明るくなるようなことをするようにしましょう。
●運動する
意思の力だけで血を巡らせようとしてもできません。しかし体を動かせばおのずと血は動きます。ここでは激しい運動は必要ありません。散歩をする、歩いて買い物に行くなど、なんでもいいので体を動かしましょう。
●睡眠をしっかりととる
気の力不足は血の流れを停滞させ、瘀血をつくりだしてしまいます。気を充足させ瘀血を改善させるために、夜はよく眠ることが大切です。
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