トイレが近くて困る
「トイレが近い」のには2パターンあります。
①排尿量が少ないが、回数が多い。
②排尿量が多く、そのために回数が多い。
頻尿
●排尿の回数が昼間に10回以上、就寝時に2回以上を一般的に頻尿とされます。
多尿
●成人の1日の平均排尿量は1~1.5ℓ程度ですが、これが2ℓ以上だと多尿とされます。
原疾患があるもの、ないもの
頻尿を起こしやすい病気は、前立腺肥大、膀胱結石、膀胱炎、尿道炎、多尿になりやすい病気には糖尿病、腎不全など。また脳脊髄の損傷でも頻尿になります。これらによって頻尿や多尿になっているのだとしたら、原疾患の治療が必要です。原疾患がないにも関わらずトイレが近いのであれば、機能性頻尿・多尿ということで、老人性や心因性のものが考えられます。
〇老人性頻尿
通常、夜間に分泌量が増える抗利尿ホルモン(バゾプレッシン)が、加齢によって減ることで夜中に何度もトイレに行くようになります。また老人女性はエストロゲン減少により、畜尿機能が低下して頻尿になります。
〇心因性頻尿
精神的ストレスがかかると、体への負担を軽くする目的で排尿機能が働きます。このため頻繁に尿意が起こります。
〇膀胱炎による頻尿
冷えや過労により、膀胱壁の血流が障害されて膀胱の筋肉の伸展性が低下して、膀胱に溜められる尿量が減ります。膀胱粘膜が過敏となり頻尿になります。
癃閉、淋証、消渇
東洋医学では、頻尿や多尿、尿意切迫、残尿感を症状とする病には、「癃閉(リュウヘイ)」、「淋証(リンショウ)」、「消渇(ショウカチ)ー現代医学的病名では糖尿病にあたる」などがあります。五臓では「腎」との関りが深く、腎が衰え体を温めることできなくることで「尿」にまつわる種々の病気を生じるととらえ、治療原則は「温補腎陽」となります。
自分でできる養生法
●冷えをとる
冷えは単にトイレが近くなるだけだなく、抵抗力を低下させ排尿にまつわるさまざまな病気を生じさせます。とくに下腹部や足腰を冷やさないよう気を付け、冷たい飲食物はできるでけ取らないようにします。また入浴時にはしっかりと湯船につかって、体を温めるようにします。
●疲れをとる
早めに疲れをとることができれば膀胱炎症状も機能的なもので済み、回復へ向かいます。しかし疲れたままの状態が続くと細菌感染を起こし、状況はわるくなってしまいます。良質の睡眠をとって、疲れを溜めないことが大切です。
お灸治療
抵抗力を上げ症状を和らげることを目的に、おへその下、正中線上にある関元、中極、または大赫(ダイカク)にお灸をします。
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