舌を見て体調を知る
「舌」は体の状態や体質を表します。
舌が大きい
大きい舌には、もともと大きい舌と、一時的に大きくなっている舌とがあります。胃腸の丈夫な人はもともと(生まれつき)舌が大きい傾向にあり、虚実でいば「実」です。一時的に大きい舌は、体内での水分の代謝が悪いために、余分な水分を含んでいます。これを「胖大舌」といい、ぼてっとした感じで、虚実でいえば「虚」です。余分な水分があるということは、それによって冷えをもたらし、多くの場合「陽虚」となっています。舌は体の縮図ともいえるもので、胖大舌の人は舌だけでなく体にも余分水分が溜まっていますから、いわゆる水太りになりやすいといえます。
もともと舌の大きい人は、消化吸収力が強く食欲も旺盛です。このような人が暴飲暴食などにより胃腸の調子が悪くなると、胖大舌にはならず舌苔(こけ)が厚くなります。このようなケースは、舌にはその兆候が表れても、本人に胃腸の調子が悪いという自覚がないことも少なくありません。
大きい舌の背景にあるもの
脂っこいものやアルコールの多い食事、夜遅い時間に食べるといった食生活などを続けていると、若い頃は大丈夫であっても、歳を取れば体への負担は大きくなります。これは徐々に高血圧になっていくここと同様です。
●大きい舌には先天的なものと後天的なものがある
舌の淵に歯の痕がついている
水分を多く含むことで膨れている「胖大舌」は、舌の縁に歯型がついているものもあり、これを「歯痕舌」といいます。下あごの内腔よりも、舌が大きくなっているために、舌が歯に押し当てられることで、このような舌になります。
先天的に大きい舌の場合、押し返すだけの力があり歯の痕はつきません。一方、歯痕舌は、陽虚のため「張り」がありません。胖大舌が長く続いていることの表れととらえられます。
舌からわかる養生法
実の舌でも、虚の舌でも、やることは同じです。
●自分にあった量の食事をとる
いくら胃腸が丈夫とはいえ、許容量を超えて食べれば胃腸の調子は悪くなります。ストレスを忘れるために、つい飲食が過ぎてしまうのであれば、食べること以外のストレス解消法を見つけるようにしましょう。自分にとってあまり厳しい制限を課しても長くは続かないものです。できることを確実に行っていくことが大切です。
●運動する
実であっても、虚であっても、運動することが大切です。運動して気がめぐれば胃腸の調子はよくなります。また、それによって「水」もめぐる(水分代謝が正常な状態に戻る)ようになります。さらには、体が自ら熱を産むことができるようになり、冷えも解消されます。
長期で取り組む
体質は簡単に変わらないため、舌の様子もそうそう変わるものではありません。※風邪を引いたり、発熱していたりするときは舌の変化が顕著に表れやすいです。体質を判断したら、その上で養生を続けていってください。
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