陰陽論を生活に活かそう4
「春の来ない冬はない」と思いたい
陰陽論とは、陽は火、陰は水に代表されるように、自然界に存在するものはすべて陰と陽の二面をもつというもの。
朝が陽で夜が陰、春夏が陽で秋冬が陰。「朝の来ない夜はなく、春の来ない冬もない」、だから今はつらくても、この言葉を信じてがんばろう。その通り、自然界はその営みを止めることはなく、陰陽は常に巡ります。
朝から昼になるにつれて日は高くなっていき、正午を境に昼から夕方へと転じた後は、日は沈んでいきます。「朝から昼」「夕方から夜」は陰と陽が変わりません。春夏秋冬なら「春から夏」「秋から冬」は陰陽の入れ替わりはなく、陰や陽がそれぞれ深みを増していくだけです。
一方で「昼から夕方」「夜から朝」は陰と陽が入れ替わります。太陽が昇り続けることはありません。季節も同様で「夏から秋」「冬から春」は陰陽が転じます。これを「陰陽転化」といい、自然はこのサイクルを常に繰り返していて、これが逆回りすることはありません。
が、しかし、人生においてのそれはカレンダー通りにはいくとは限らない。待てど暮らせど、いっこうに、いつまでたっても雪が解けない、桜が咲かない、そういうこともあります。
楽しいときは陽の気が多く、さみしいとき、つらいときは陰の気が多い。楽しいときばかりならいいのに、と思ったことは誰にでもあるでしょう。しかしそれは現実においてはあり得ないこと。喜びも悲しみもあるのが人生というものです。悲しみ、さみしさ、つらさといった陰の気が人間に深見をもたらし、陰の気があるからこそ、喜びやうれしさといった陽の気を「よりいっそうのもの」とします。海援隊にいわせれば「悲しみが多いほど優しくなれる」ということでしょう。
川の流れに身をゆだねつつ
人間の力で雪を溶かしたり、桜を咲かせたりすることはできません。雪を溶かすのは、やかんのお湯をかけて、ごく小規模にであればできないこともないですが、地域一体ということであれば、雪を溶かすのも、桜を咲かせるのも大自然の力によるものです。どんなに早く花見がしたくても、人間である私たちができることは春が来るのただ待つことのみ。もしくは「じれったさ」に耐えるだけです。しかし、自分の人生はそうではありません。あの手この手を打つことができます。あまり、ことを急いてはストレスが溜まり、精神衛生上的にもよくありませんが、しかし選択肢が多いのは希望があるということです。自然の流れ、川の流れに身をゆだねつつ、舵を自らの手で取りましょう。
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