太りたい、太れない

太りたくても太れない人はたくさんいます。「やせていても元気で、日常の生活を送れているのであれば問題はない」とは他人がいうことであって、本人にしてみれば、やせたい人が中々やせられないのと同じように切実な問題です。

痩せている人の多くは脾胃虚弱

太りたければ食べればいい、と思うかもしれませんが、やせている人は消化吸収力が弱い(これを東洋医学では「脾胃虚弱」または「脾虚」といいます)場合が多く、たくさん食べることができません。無理やり食べてもお腹をこわしてしまったり、胃を悪くしてしまったりで、太ることができないのです。

脾虚に対しては補脾気

脾が弱いことへの対応は、脾の力を高める「補脾気」ということになり、そのためには運動、食事、休養の3つの面からのアプローチが有効です。

〇運動

もし太りたい人が、現在、運動習慣がないのであれば、なんでいいから体を動かすようにします。体を動かしたら、エネルギーを消費してしまって、逆にやせてしまうのではないかといった心配は要りません。脾虚の人が運動する目的は、お腹を空かせることと、脾を丈夫にすることです。運動することで食欲がわき、体がカロリーを必要としている状態のときに食べることで、消化吸収が効率よく行われます。

おすすめはウェイトトレーニングです。ウェイトトレーニングとは、筋肉に負荷をかけ、筋肉を強く太くするためのものです。バーベルやダンベルを用いて行う「フリーウェイト」、専用のマシンを用いるもの、腕立て伏せなど自らの体重を利用して行う「自重負荷運動」などがあります。筋肉に負荷がかかればどのようなやり方でも構いません。本格的に行うのであれば、フィットネスクラブを利用するか、器具を自宅にそろえるということになります。

太りたい人がウェイトトレーニングを行うときに注意しなければならないのは、やり過ぎないこと。結果を早くだしたいばっかりに、ついやり過ぎてしまいがちになりますが、そこはやりたい気持ちをがまんしなければなりません。トレーニングと休養と栄養は常にセットで考えるようします。トレーニングで体に負荷をかけ、体がエネルギーを欲している状態をつくり、そのタイミングで必要なだけの休養と栄養をとる、ということ繰り返し行うことで筋肉は発達していきます。トレーニングのやり過ぎや、休養や栄養が足りていなければ、太ることはできません。

〇休養

休養には消極的休養(完全休養)と積極的休養があります。消極的休養とは、ただ寝る、横になるといったこと、積極的休養は入浴やサウナ、マッサージを受けるなどで、ストレッチなど軽く体を動かすことも含まれます。積極的休養をうまく取り入れることで、こころもリフレッシュされ、体に溜まった疲労物質が疲れが早く取り除かれます。

〇栄養

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をしっかり取ります。とくにたんぱく質は筋肉をつくるための主成分となりますから、不足しないように気を付けましょう。食材としては、肉、魚などの他、たまご、乳製品、大豆食品などです。一度にたくさんの量を食べるより、少量を数回に分けて食べたほうが胃腸に負担をかけず、栄養を効率よく摂取できます。一日3食である必要はありません。太れない人は、胃腸が弱く軟便になりやすい傾向にあります。いかにお腹を壊さないかが太るためには大変重要なポイントです。

太りたい人のための鍼灸治療

疲れていては太ることができません。鍼灸により疲れを取ることで太りやすい体質になります。また「脾胃」のツボを直接刺激して脾胃を丈夫にします。

太れない人が太るためには時間がかかります。適度な運動を行い、適切な休養と栄養を取って、それを継続することで理想の体に近づいていきます。一年後の自分の体を楽しみにして、今日一日を大切に。

馬込沢うえだ鍼灸院



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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