貧血、血虚がよくなれば

いろいろなことが楽しくなるように、貧血や血虚をよくしていきましょう。

酸素が届かない貧血

血液成分である赤血球と赤血球に含まれているヘモグロビンによって酸素は運ばれ、体中の各細胞に届けられます。赤血球やヘモグロビンが少なくなった状態が「貧血」で、貧血によって細胞に酸素が届けられなくなると、次のようなさまざまな症状があらわれます。

〇貧血による症状

動悸、息切れ、めまい、疲れやすい、だるい、顔色が悪い、爪がもろくなる、髪がパサつくetc

鉄欠乏性貧血であってもこのような症状が現れない場合や、別の原因で上記の症状が現れる場合もあります。不調を感じたら、自己判断せず病院を受診しましょう。

貧血の種類

鉄欠乏性貧血:ヘモグロビンの材料である鉄が不足して起こります。

巨赤芽球性貧血:赤血球をつくるのに必要なビタミンや葉酸などの物質が不足して起こります。

溶血性貧血:細菌の毒素など、なんらかの理由で赤血球の破壊が進むことで起こります。

再生不良性貧血:赤血球をつくる骨髄の働きが正常ではなくなることで起こります。

※続発性貧血:子宮や大腸のガンなどにより、ガンのあるところから慢性的に出血していることがあります。

女性に多い鉄欠乏性貧血

貧血の9割を占めるのが「鉄欠乏性貧血」で女性に多いのが特徴です。その理由としては月経による出血の他、ダイエットによる鉄分の摂取不足などがあります。また妊娠、授乳期は体内で通常よりも多くの鉄を必要とするため、供給不足になりやすい状態です。女性に限ったことではありませんが、消化機能の低下・消化器の手術などで鉄の消化吸収が悪くなって貧血になる場合もあります。

隠れ貧血

隠れ貧血とは、貧血症状があらわれる前(貧血予備軍)の段階です。成人女性の場合血液中のヘモグロビンの値が12g/dlを下回ると貧血とされます。しかし貧血は、少しづつ進行するため自分でも気がつかないことがあり、具合が悪くなって血液検査をして、自分が貧血であったこと知る人もいます逆に、数値的に正常であっても貧血様の症状がある場合もあり、どちらも治療の対象となります。

血虚

貧血は、東洋医学でいえば「血虚」ととらえられます。血虚とは、文字通り「血(けつ)」が虚した(減った、もしくは弱くなった)状態です。血は四肢や臓腑を潤し、その働きを支えているため、血虚になると血の「栄養滋養作用」によって機能している臓腑・組織・器官の機能の失調、運動機能の低下がみられ、貧血同様の症状があらわれます。鉄欠乏性貧血であってもこのような症状が現れない場合もあります。また、別の原因で上記の症状が現れる場合もあります。不調を感じたら、自己判断せず医師に相談しましょう。

貧血・血虚改善のために

西洋医学の血液と、東洋医学の「血」は、概念が同じではないため、厳密にいえば貧血と血虚は違います。しかし症状改善のために行った方がいいことは同じです。ここでは鉄欠乏性貧血への対処法について説明します。

〇鉄分を含む食品を積極的にとる

栄養バランスのとれた食事とともに、レバー、ほうれん草、牡蠣、アサリ、卵黄、プルーンなど、鉄分を多く含む食品を摂取するようにします。バランスよく食べることで効率よく鉄が吸収され、とくに動物性たんぱく質、ビタミンC、クエン酸などは鉄の吸収率を高めます。逆にコーヒーや緑茶は鉄の吸収を悪くします。東洋医学の「血虚」とは、栄養状態がよくないことのあらわれです。鉄分は大事な栄養素の一つですが、鉄だけを摂取しても血虚は改善されません。バランスよく食べましょう。

〇消化機能を高め、気を補う

消化器の機能が正常でなければ、鉄をはじめ栄養素を効率よく吸収することができません。これは東洋医学でいえば「脾胃を整える」ということになります。脾胃とは、食べたものから栄養素を取り出し、体全体に行き渡らせる働きのことで、血虚が起こる背景の多くに「脾虚」があります。また「血は気の母、気は血の帥」という言葉があるように、血は必ず気といっしょに働きますから、ストレスや寝不足などで気が消耗してしまわないよう注意が必要です。

〇体を温める

貧血や血虚の人は、エネルギー不足のため多くの場合冷え症でもあります。入浴時には湯船につかるようにしましょう。また運動すると体内に熱が生まれます。

〇適度な運動

運動するとお腹が空きます。運動には、消化器をはじめとし内臓の働きを修復させ、栄養の吸収をよくする効果があります。適度に運動して、しっかり食べるというサイクルを生活の中につくることも、貧血や貧血の症状を改善していくためには大切です。※アスリートなどは、ハードなトレーニングにより鉄分が不足してしまうことがあります。

貧血・血虚と不妊の関係

貧血はいわば栄養不足の状態です。鉄が不足することにより、黄体ホルモンという妊娠を継続させるためのホルンの分泌量が低下してしまいます。また貧血により血液が十分に届かず、子宮の環境が悪くなることが指摘されています。東洋医学でも、血虚は不妊の大きな要因となり、不妊治療を受ける人の多くが鉄欠乏性貧血であるといわれています。妊娠のためには貧血を改善させることが非常に大切です。

貧血、血虚と鍼灸

鍼灸は、消化機能や増血機能を高めるために有効なものです。血虚には「補血」、脾虚に対しては「益脾」といった治療を行います。

馬込沢うえだ鍼灸院

貧血・血虚を改善して充実した毎日を



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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