頭が重く感じるものの多くは「虚」

頭が重く感じる頭重感。脳腫瘍など重大な病気の症状としての場合、「頭重感」だけではなく他の症状を伴います。検査をしても決定的な原因が見つからなければ「一安心」である反面、これといった対処の方法もなく悩ましくもあります。

私たちは表れる症状を通して、体の状態が思わしくないことを知ります。症状は病気と明確に結びつくものもあれば、いわゆる不定愁訴もあります。むしろ病名がつかないことの方が多いのですが、いずれにしても症状が表れているときは、体調がよくないことに間違いはありません。

不定愁訴は弱い所にでる

体調不良によって腰痛が悪化する人もいれば、頭が重くなる人もいて、頭重感に多いのが風邪の初期症状としてのもの。こんなとき何よりも大切なのは体を休めること。

病気はもともとの体質に「病因」が加わり、それによって体内の気血水の巡りが悪くなることで発症します。慢性疾患は「実」の様相を呈していても内実は虚であり、これを「本拠標実」といいます。気血水の巡りが悪くなるパターンには大きく分けて2つあります。一つは全体の量が少ないもの(虚)で、これは量が減っているためにパワー不足となり推進力を得ることできません。もう一つは、全体的な量は足りているものの、局所に停滞してしまうことで全体の流れに悪影響を及ぼしてしまうもの(本拠標実)です。

頭重感は、日ごろから疲れやすく風邪を引きやすいなど、虚の人に多くみられます。比較的体力のある人でも頭が重だるく感じることはあります。その症状だけをみれば実の様ですが、頭重感が体力の低下を表しています。

頭重を予防するために

頭重感の予防は、虚を補って疲れにくい体質にしていくということになります。そのためには、オーバーワークを避けストレスを減らし、なるべくよいときの体調を保つようにします。体調が良好な状態に維持されれば、エネルギーの消費を止めることができ、それによってさらに体調を良好に保つという好循環が生み出されます。体調がよいときには苦もなくできていたことでも、体調が悪いとき(エネルギー不足のとき)はそうではありません。虚の人は普通の人以上に、エネルギー不足の状態になることを避ける必要があります。小まめに休息をとり、できるだけその日の疲れはその日の内に解消するようにします。また一方では、許容量を増やすことも必要です。

〇適度に運動する

運動することで徐々に体力をつけていきます。体質の改善には時間がかかるものです。年単位のスパンで考え、無理をせず自分のペースで行っていきましょう。

〇しっかりと寝る

心身ともに修復されるために睡眠は非常に重要です。人間は寝ている間にしかできないことがあります。昼間の活動によって疲労し、回復のために睡眠をとる、この基本的なサイクルが守られると、エネルギーロスが少なくなります。

〇体を冷やさない

虚の人は往々にして冷え症であることが多く、それにともない症状も表れやすくなります。広い意味で冷え症は「陽虚症」であり、陽のエネルギーが不足した状態です。陽は動的性質をもち、陽虚によって気をはじめ血や水の巡りが悪くなります。冷え症の改善が頭重予防の一つのポイントとなります。

〇栄養のバランスのとれた食事

体力を補うには栄養が欠かせません。栄養素やカロリーの必要とされる量というものがありますが、効率よく吸収されるためには「お腹が空く」ということが大切です。理想は、お腹が空くべくときに空くことです。そのためには食生活だけでなく、運動習慣など規則正しい生活をこころがけます。

頭重感と鍼灸

西洋医学では診断がつかないものでも、東洋医学的にとらえることで行える治療は多くあります。頭重感は主には、気滞、脾虚による運化昇精機能の低下、血虚や血瘀があり、その人にあった方法で対応していくことが重要です。

馬込沢うえだ鍼灸院



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kiichiro

鍼灸師。東洋医学について、健康について語ります。あなたの能力を引き出すためには「元気」が何より大切。そのための最初の一歩が疲労・冷え症・不眠症をよくすること。東洋医学で可能性を広げられるよう情報を発信していきます。馬込沢うえだ鍼灸院院長/日本良導絡自律神経調整学会会員/日本不妊カウンセリング学会会員//日本動物愛護協会会員

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