原因不明のわき腹の痛みは、ストレスによる肝気の停滞
ぶつけたわけでも何故かわき腹が痛い。
わき腹の痛みは、ぶつけたり捻ったりすることによる筋肉や骨の損傷の他、内臓の病気からのものがあります。思いあたることがなくても、どこかでぶつけた、もしくは捻ったという可能性もあります。
外傷であれば時間がたてば治る
筋肉や骨の損傷であれば、時間の経過とともに治ります。患部を安静にしたほうがいいのですが、呼吸にともなってどうしても患部やその周辺が動いてしまうので、多少治癒に時間がかかります。病院でもできることは、湿布を貼ってリブバンドをするくらいしかありません。あとは待つだけ。
内臓病変からの痛み
内臓の病気や炎症によって起こる脇腹の痛みもあります。この場合臓器そのものの痛みと、臓器の位置からはずれた「関連痛」とがあります。とくに思い多あることがないのに痛む、痛みが長引いている、治まっても再発するのであれば一度検査を受けてください。
検査をしたのに異常は見つからない。でも痛い。鍼灸院に来られる方は、だいたいこのような人です。もしくは別の症状で来院し、その際に「わき腹の痛みはありませんか」との質問で、こちら(施術する側)が知るケースもあります。
別の症状(例えば、腰痛、肩こり、不眠、不妊、胃の不調など)が主症状の患者さんに、わき腹の痛みの有無を訪ねるのか、と思われるかもしれませんが、訪ねます。
脇胸苦満
わき腹の周辺の痛みを「脇胸苦満」といって、重要な問診事項の一つ。脇胸苦満は「肝」の疾患の特徴です。ストレスで肝の働きが低下し、それによる気血の滞りを表しています。
食後に痛む場合は「脾」の不調の可能性が高く、直接的には脾の不調なのですが、その背景には肝の不調が隠れています。
肝気鬱滞を改善
症状を緩和させるには気血の流れをよくする必要があります。そのためには患部を温めるのが効果的。肝の不調を考えれば、全身を温めた方がさらに効果的。温めると痛みが和らぐのは、わき腹の痛みは「慢性的な冷え」によるところが大きいということです。温めると痛みがひどくなったり、吐き気や嘔吐、発熱などがあったら、温めずに病院へ。
胸脇苦満と鍼灸
鍼灸には局所治療としての効果と合わせて、疏肝理気を図り、胸や脇の痛みを緩和させることが可能です。お酒の飲みすぎ、喫煙、精神的ストレスなど思い当たることがあれば、それらをなくし(もしくは減らし)予防養生に努めると同時に鍼灸を行い体調管理に努めましょう。
●わき腹の痛みは原因がわかるものと、わからないものがある
●原因不明のわき腹の痛みは、ストレスによる肝気の停滞
●わき腹の痛みは「冷え」からくる
あきらかにぶつけた、捻った、というもの以外は、内臓の病気が見つかっても、見つからなくても体は休みを欲しがっています。