夜なのに目が冴えてしまう
人間は夜行性ではない
朝型、夜型、程度の差こそあっても、人間は日中に活動して、夜は寝るもの。夜なのに目が冴えてしまうのは、体内の陰陽のバランスが崩れています。夜に目が冴えるという状態は、それだけをみればそれほど大きな問題ではないかもしれません。しかし、夜に目が冴えることで、結果として、次の日の日中に眠気を催すなどのことが起きれば、生活に支障をきたしてしまいます。
しかし、日中に眠いからといって、ふつうは眠るわけにはいきません。社会人なら仕事があるし、学生なら学生のやるべきことがあります。日中の眠気に耐えて、次の日の夜はグッスリと眠れるのならいいのですが、夜になるとやっぱり目が冴えてしまう。そんな状態が慢性化しているのであれば、なんらかの手を打ち、積極的に改善していったほうがいいですね。
人間は本来夜行性ではありませんが、夜行性の生活を送っている人もいます。そうであっても、これから先も、何ら支障なく生きていけるのであれば、問題ないということになるのかもしれません。
慢性的躁
昼間は仕事をしていて、それでいて夜は目が冴える(眠れない、もしくは眠りが浅い)、慢性的躁状態ともいえるような人がいます。このような状態が長期にわたって続いている人は、本人が意識するしないに関わらず、どこかでエネルギーの消耗を減らしている可能性があります。それでヤリクリがうまくいっていればいいのですが、ある日、突然に病気が発症することもあります。
過剰な陽、交感神経過多
夜なの目が冴えてしまう、夜になっても眠気を感じないというのは、東洋医学的にみれば「陽盛」、現代医学的にみれば「交感神経過多」の状態です。
これが一時的なものであればいいのですが、長い間続くと、昼間のパフォーマンスが低下したり、他の病気を引き起こしやすくなったりします。陽は、ロウソクと炎に例えれば炎です。炎は陰であるロウソクから燃料を補充され、燃えることができます。しかし、陰を補充しなければいずれは炎は消えてしまいます。陰を補充するとは、人間の場合、睡眠を取ることに他なりません。陽盛の状態が長く続けば、いずれ陰虚となり、その後「陰陽両虚」となります。
陰陽両虚をどうやって改善していくか
陰虚に対してのお手当は「補陰」で、まずはしっかりと睡眠を取ること。しかし、目が冴えて眠れないから陰を補充できない、このような八方塞がりの状態をどう改善していったらいいのでしょう?
●疲れる
体を疲れさせること。こころではなく「体」。そのためには必要なのは運動です。重要なポイントは「昼間」に運動するということ。寝よう寝ようと思っても眠れものではありません。ただ寝ようとだけするのは、副交感神経だけにしか働きかけていないことと同じになってしまいます。副交感神経の働きを充実したものにするためには、交感神経を刺激することです。
●考え過ぎない
考えるから目が冴えるのか、目が冴えるから考えてしまうのか?どちらであっても、考え過ぎは脳の働きを過剰にして、眠りを妨げます。考えないようにしようと思って、考えるの止められるくらいなら苦労はしません。思考過多を防ぐには、やはり運動して体を疲れさせることです。
●体を温める
不眠症における陽盛や交感神経過多の状態、夜なの目が冴えてしまう状態は、熱が体の上の方に偏っています。体(とくに下半身)が冷えていると、この冷えが邪魔をして上の熱が降りて来られません。しっかりと体を温めれば、体内の陰陽の巡りがよくなります。