痰が切れないヒステリー球
炎症が治まれば痰はなくなるはずなのに
風邪を引いているわけでもないのに痰が切れない。喉の奥に何かがつまっているようだ。
体内に細菌やウィルスといった異物が侵入すると、白血球などがそれらを迎え撃ちます。このとき戦いによって炎症が生じて、細菌やウィルス、白血球などの死骸や残骸を除去するために痰が形成されます。ですから通常、炎症が治まれば痰はなくなります。
長期間、痰が治まらない場合、耳鼻咽喉科をはじめ病院を受診します。それでもハッキリとした原因がわからなければ精神的症状の可能性が高い。
原因不明の喉のつまり感
これといった原因がみられないのに、喉に何かがつまっているように感じるものをヒステリー球(咽喉頭異常感症)といいます。ストレスで自律神経が失調、交感神経が過剰に働き、喉の筋肉が収縮、食道の内腔が締め付けられてしまいます。出そうとしても飲み込もうとしてもとれません。
東洋医学では梅核気
東洋医学では、梅核気といって肝実症の一つです。肝実症とは、感神経緊張による自律神経失調症と同様のもと考えることができます。洋の東西を問わず、このような症状は昔からあったということですが、近年になって増えているようです。女性の更年期に多く見られますが、もちろん男性でもなります。
患者さんが自分でできることは、ストレスを溜めない、ストレスを減らす、ストレスを早く解消する。今のところ、ヒステリー球くらいで済んでいてありがたい、ひどくなる前に、これを機会に生活を見直そう、となればかなりいいですね。
冷やすな
それから体を冷やさないことが大切。実質性の痰であっても、ヒステリー球であっても、体力が落ちていると起こりやすくなります。そのためには、適度な運動と栄養のバランス、質のいい睡眠を心がけましょう。
ヒステリー球自体が特別な悪さをするわけではありませんが、喉の異物感は他の原因である場合もあります。せきが長引く、症状がひどい、痰に血が混じるなどのことがあれば、病院で検査を受けてください。
ヒステリー球と鍼灸
東洋医学的にみると、ヒステリー球を起こす背景には、肝鬱(肝実)やそれに絡む、脾気虚に痰の形成、腎虚による冷えなどがあります。状況に合わせた治療が効果をもたらします。
まとめ
●これといった原因がみられないのに、喉に何かがつまっているように感じるものをヒステリー球(咽喉頭異常感症)である可能性が高い
●ヒステリー球はストレスによる自律神経の失調が原因
●東洋医学では、肝実症とそれに脾や腎の不調が絡んでいる
●対処法としては、ストレスの緩和、慢性的冷えをとる、良質の睡眠
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