妊娠のために、がんばりたい気持ち
妊娠のためにがんばりたい
妊娠を望む人にとって、妊娠するために自分でできることで、まだやっていないことがあるのなら、がんばってそれをやりたいという気持ちはわかります。しかし「がんばる気持ち」は往々にして、妊娠においてとても大事である「穏やかな気持ち」と相反してしまいがちなります。「がんばり」が100%であればいいのですが、100以上になってしまうとそのがんばりは無駄、さらにはマイナスになりかねません。問題は、とっくに100を超えているのに、それが自覚できていないこと。
スポーツにおけるトレーニングは、本来心身を強くするためのものです。しかしこれによってパフォーマンスが低下したり、ケガをしてしまったりしては何のためのトレーニングだかわからなくなってしまいます。がんばること自体が目的ではない、ということを常にこころに留めておきましょう。笑うことで免疫が上がることがわかっていますが、それは心から笑えばの話です。
不妊の原因
女性不妊の機能的要因はおもに4つ。卵子の質、排卵、卵管、子宮内膜、にそれぞれ問題があると妊娠しにくくなります。※機能的要因に対して、あきらかな形体異常によるものを器質的要因といいます。子宮内膜症、子宮筋腫などのすべてが器質的要因となるわけではありません。
卵子の質の問題
加齢にともないいわゆる卵子の質が低下します。生きている以上卵子も歳をとり、これは仕方がありません。重要なのはできるだけ卵子のポテンシャルを落とさないことです。
排卵の問題
通常、月経周期(28~35日)の間に1度排卵があります。もともと生殖能力が低い(東洋医学ではこれを「腎虚」という)ことに加えて、ストレスを受けた体は排卵をストップさせてしまいます。東洋医学における「腎」は「先天の源」といわれ生命力の根源をつかさどっていて、腎が弱ると、耳が遠くなる、頭髪が薄くなる、腰が曲がる、不妊といった現象が表れます。これは病気ではなく一般に老化と呼ばれるものです。しかし老化現象が病的に起きているのであれば治療の対症となります。現代医学的な見方としては、ストレスが大脳を通じて、ホルモン分泌の大元である視床下部に影響し排卵が止まるということ。つまりこの現象は、今は妊娠するべきではないと体が本能的に感じているといえるでしょう。
卵管の問題
卵管が詰まっていれば卵子と精子が出会わないわけですから、妊娠はしません。検査によって詰まりがなくなることもあり、卵管閉塞は必ずしも器質的障害(形態異常による障害)ではありません。卵管閉塞を起こす要因の一つとして浮腫があり、もし浮腫み(痰飲や湿)があれば、東洋医学では、除湿、健脾といった治療を行います。
子宮内膜の問題
受精卵が子宮内膜に確実に着床して、妊娠は成立します。子宮内膜は、動物が体を休める「巣」や人間が営気(陰の気)を養うためのベッドやベッドが置かれた部屋に相当するものです。せんべい布団よりも、フカフカであるほうが、きっと居心地はいいはずです。